244.やばし
ヘル・インフェルノ女囚監獄へ行こうとしたんだけど、大嵐にあってしまった。
先に現地入りしてるマーキュリーさん、そして、病気しているという監獄の女囚さんを待たせるのは、申し訳ない。
どうしよう……うーん。
「何を悩んでいるの? 嵐が来てるのだ。どうしようもないではないか」
タイちゃんが人間姿で、そう言う。まあそうなんだけどさ。
でもなぁ。病気の人を長く苦しめたくないし……。
「よし、やるか」
「やめろ」
タイちゃんが僕の手を掴んでくる。
「え、どうしてとめるの? てゆーか、まだ何をするのか言ってないんだけど」
「言ってないがロクデモないことくらいは想像つく! 絶対にヤバいことだと!」
「あはは、そんなにヤバくないよ」
「ほんとかぁ?」
「嵐を消し飛ばすだけ」
「それみたことかっ!」
タイちゃんが叫ぶ。
「嵐を消し飛ばす!? そんな無茶なことができるだろうけど、周りへの影響は大丈夫じゃあないだろうがっ!?」
「大丈夫だよ!」
「ほんとかぁ!?」
「今後100年くらい、気候が不安定になるだけだから!」
「それ見たことかぁあああああああああああああああああああ!」
タイちゃんが僕の腕を引いて、全力で止める。
「やばいことはなし!」