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242/257

242.食堂



 マーキュリーは食堂へと移動する。

 世界中の悪女たちが集められてるというから、てっきり殺伐としていて、食事どころではないかと思ったが……。


「あ、あれ……? 意外とみんな和やかだわ……」


 場所は食堂。

 ギルドの食堂と同じく、机があって、椅子があり、受付カウンターがある。

 そこで配膳がおこなわれてる。どこにでもある風景。


「なにをしてる、4242番」

「あ、いや……カシュー。ほんとにここって監獄なの? もっとヤバい連中がバトってるのかと」


「下層へ行けばヤバい連中も多くなるが、上層は比較的まともな連中が多いからな」


 なるほど、全員がやばいわけではないようである。

 ホッ……とマーキュリーは安堵の息をつく。

「じゃあ、上層でまってりゃいいわけね」


 リーフは必ず自分を助けにやってくる。

 なら、ここで大人しくしていればいい。


 お腹の空いたマーキュリーは、食事の列に並ぶ。

 カウンターでは食堂のおばちゃんが、今日何食べるかを聞いている。


 マーキュリーの番になった。


「えっと……じゃあ、サンドイッチで」

「あいよー」


 マーキュリーの前に、高そうなサンドイッチが、直ぐに出される。


「わっ! うまっそ……わーい♡」


 マーキュリーはお盆を持って自分の席に戻ろうとする……が。


「おいおいおい、何をしてるんだい嬢ちゃん」


 食堂のおばちゃんがマーキュリーを止めてくる。


「へ? どうしたの?」

「お金。お代出さないと」


 はぁ……!? とマーキュリーが驚愕する。

「ちょ……は!? ここ……監獄でしょ!? なんでお金なんて取るのよ!?」


 監獄なら普通、無料で、囚人に食事が振る舞われるはずだ。


「ここはヘル・インフェルノ女囚監獄だよ? ただの監獄じゃあないのさ。お金をもってないなら、無銭飲食ってことになるねえ」


 おばちゃんがそういうと、看守がマーキュリーを捕まえる。


「ちょ!? なに!?」

「犯罪を重ねたおまえは、第二階層おくりだ!」

「ええええええええええ!」

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