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238.運命の人



 ミーメイさんと模擬戦をして勝利した。

 彼女は大けがを負ってしまった。


「調剤!」


 僕は完全回復薬エリクサーを調剤し、薬師の神杖を使って、ミーメイさんに投与した。


「痛みがひいてくっす! すごいっすー!」


 おおー! とミーメイさんが声を張り上げる。

 一方で、人間姿のタイちゃんが言う。


「前から思っていたのだが、主が凄いというよりは、完全回復薬エリクサーが凄いだけじゃあないか?」


 お、鋭いことを言うねタイちゃん。

 確かに、全ての傷を癒やす、完全回復薬エリクサーが万能で最強。僕はただ作ってるだけで、凄くない。そう思うかもしれない。


「まあ完全回復薬エリクサーを調剤できてる時点で普通じゃあないのはわかってるのではあるが」

「そうだね。僕も昔、そう思ってたし、師匠にも実際そういったことがある」


 僕の師匠は苦笑しながら、こう答えてくれた。


完全回復薬エリクサーは確かに強力。だけど……そのままじゃ強すぎる、ってね」

「? どういうことだ?」


 タイちゃんが尻尾を?にする。かわいい。


完全回復薬エリクサーはあらゆるケガ病気を治す。とても強い薬なんだ。でも薬も過剰に投与すると、毒に転じる。だから、薬師は適切な量の薬を、投与する必要があるんだ」


 作ってただぶっかければいいってわけじゃあない。

 相手の傷の具合を見極め、体重などの条件をかみし、投与量を変えている。


「なるほど……投与には細かい調整が必要なのだな」

「うん。投与量を見誤ると……」


「ふむふむ」

「死ぬ」

「そんな危険な薬なのであるか!?」

「そうだよ。だから、扱う場合は薬師か治癒師の指導のもと、使わないといけないんだ」

「なるほど……主はただ強い薬を作って投与してる訳じゃあないのであるな」


 そーゆーこと。


 ミーメイさんがパチッと目覚める。

 ケガを治した後、彼女はぶっ倒れてしまったのだ(血を失い過ぎたせい)。


 造血剤の効果が現れたようである。


「助かったっす。マジ感謝っす!」


 ミーメイさんが頭を下げてくる。


「いえいえ。じゃ、さっそくヘル・インフェルノ女囚監獄にいきましょう」


 そう、今回はヘル・インフェルノ女囚監獄に、ミーメイさんと向かうのがミッションなのだ。

 そこで、ケガした人の治療が、僕に課せられた仕事。


 まだ、目的地に到着すらしていない。


「わかったっす! あなた♡」

「あ、あなたって……?」


 ミーメイさんが高速移動して、後ろから抱きしめてきたっ。

 もにゅっとする! もにゅっと!


「うちは強いあなたが大好きになったっすぅ~♡」


 ああそうだった!

 強い漢の人を、探してるんだっけ、この人!


「離してください! 僕には、マーキュリーさんが! いるんです!」

「じゃあ自分二番目妻でいいっす~♡」


「僕が良くないんですよぅ!」


 僕は……運命の女性ひとに出会った!

 マーキュリーさん以外のひとと、付き合う気はないのにー!

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