221.【閑話】
僕らは王城の屋上へとやってきていた。
「きれい……」
屋上から見下ろす王都の街を見て、マーキュリーさんがつぶやく。
こっちの夜景は、綺麗だ。灯りの魔道具の光が集まって、まるで銀河のようである。
……でも。
「きれいですね……」
一番綺麗なのは、王都の街の灯りに照らされている、マーキュリーさんの姿だった。
『それを言いましょう』
とエイリーンさん。あわわ、そんな……プレイボーイみたいなこと……言って良いのかな?
『言うべきです。言わねば、伝わりませんし。それに……女なら好きな人から、綺麗って言われて嫌な気持ちしないです』
なるほど……勉強になる!
「マーキュリーさん!」
「なに?」
「綺麗ですね!」
「ああ、そうね。街の夜景……」
「そうじゃなくて! マーキュリーさんが、綺麗、です!」
言ったぁ……。どうかな?
変に思われてないかな?
「…………」
マーキュリーさんが頬をぽりぽりとかく。
「マーキュリー、さん?」
「その……さ。ほんとに?」
上目遣いで、マーキュリーさんが聞いてくる!
ちょっぴり不安そうなんだけど、か、可愛い……。
「本当に綺麗ですよ! マーキュリーさん!」
「ほんとかなぁ……お世辞言ってるんじゃあないの?」
「僕がお世辞言えるようなタイプだと思います?」
「言えないわね。よくもわるくも、バカ正直だもん」
「はい!」
別にバカっていわれても気にならなかった。
マーキュリーさんの言い方からは、愛情みたいなものが、かんじられたから!
「ふふ……リーフ君って……ほんと……一緒に居ると、ほっとするわ」
「ほんとですかっ? あ、でも完全回復薬いつも飲んでるのに?」
「それは君の素行がアレだからでしょ……。まあ、それももうなれたわ」
マーキュリーさんが微笑んでくれる。
彼女からは、嘘をついてる匂いがしなかった。本当に、もうなれてくれたんだ……。
僕のやらかしを、許してくれる。受け止めてくれる。
そんな……優しくて、素敵な……
「マーキュリーさん。僕……」
僕は……!
「マーキュリーさんが、好きです!」
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