218.【閑話】
マーキュリーさんに似合うお洋服を選びに来た。
商会の人たちが次から次に、きらびやかなお洋服を持ってきてくれる。
そのすべてがマーキュリーさんに似合ってるのだ……!
「どうかなリーフ君……?」
「最高!」
僕がそう答えると、マーキュリーさんが苦笑する。
「全部に最高っていうよね、君」
「え、そうですか?」
「そうよ……。まったく……ちゃんと見てくれてるの?」
すねたように言うマーキュリーさんが、か、可愛い……。
ちゃんと見てるかだって?
「もちろん! 全部似合います!」
僕は本気でそう思ってる。ぴしっとした格好も、ふわっ、とした感じのお洋服も!
全部全部マーキュリーさんに似合ってるんだもん!
「ふーん……。そか」
くるくる、とマーキュリーさんが毛先を指でいじりながら答える。
『照れてますね』『照れてるのぅ……』
エイリーンさんとタイちゃんが言う。
確かに照れてる……! なんて可愛いんだ。ああもう、可愛いしかでてこないよっ。
「とりあえず、どれ買おっか? リーフ君が私に一番着て欲しいのってどれ?」
一番来て欲しいやつかぁ~。
うーん、全部似合う。でも着て欲しいっていえば……。
「えとその……スカートのやつ、よかったなぁ」
「ふーん、どうして?」
「マーキュリーさん、女の子っぽい服装、もっとしてほしいかなって」
普段ちょっとえっち過ぎる格好なので。
もうちょっと普通の、女の子っぽい格好のほうがいいかなって思ってる。
「わかった。じゃあ、これにする」
台の上に置いてある、白いワンピースを手に取るマーキュリーさん。
「次のデートのときに、着てあげるね」
「! ほんとですかっ!」
「ええ」
ふふ、とマーキュリーさんが微笑んでいる。
次もまたデートしてくれるってことが、僕にとっては一番うれしかったなぁ。僕の選んだ服を着てもらえることもだけど。