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196.薬神への進化

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。



《リーフSide》


 俺はドクオーナと協力して、窮奇きゅうきを元に戻した。

 窮奇きゅうきの体全身から出ていた針は、消えていた。


 目の前には真っ白な体毛の、美しい犬……? がいた。


「犬?」

『これが窮奇きゅうき本来の姿だ。礼を言う、薬師殿』


 すっ……と頭を下げる窮奇きゅうきさん。


「お礼なんていいですよ。治ったのは、あなたが生きることを諦めなかったからですよ」


 薬師も万能ではない。

 ケガや病気を治すことができる。

 しかし裏を返すとそれしかできない。


 ケガ病気がなおったとて、結局のところ本人が生きようとしないとどうしようもできないのだ。


「辛いのに、よくたえましたね」

『ここで死んだら、薬師殿の頑張りが無駄になると思ったからな』


「そうですか……よかった!」


 窮奇きゅうきが近寄ってきて、頬ずりしてくる。


『ありがとう、薬師殿』

「いえいえ。さ、皆のとこ戻りましょう。ドクオーナも」


 ドクオーナは今回すっごい頑張ってくれた。

 彼女の頑張りも嬉しかったけど、薬師としてのマインドを持ってくれてることが、嬉しかった。


「え、ええ……あ、アレ……? 体が動かない……」


 へたり込んでいるドクオーナ。

 まさか……窮奇きゅうきさんの持つウイルスが移った!?


 俺は急いで彼女の元に行く。

 そして、左手で彼女の手を掴んだ。


 ……そのときだった。

 ぎゅんっ! と頭の中に、彼女の体の情報が流れ込んできた。


「ガッ……!」


 突然、大量の情報が流れてきて、困惑する……俺。


「ど、どうしたのリーフっ?」


 慌てててドクオーナが尋ねてくる。

 窮奇きゅうきさんも心配そうに近づいてきた。


「だ、大丈夫……。ドクオーナ、君、利き手が疲労骨折してるよ。頑張りすぎたからかな」

「え?」


「それと今生理中だったんだね。ゴメンね無理させて」

「ちょちょちょ! 何で知ってるの!?」


 ……なんでだろう。


「なんでか知らないけど、わかるんだ。頭の中に……ドクオーナの体を構成する情報全てが、入ってきて」


 今度は、俺の右手が輝いてる。


 俺の手には、いつの間にか薬師の神杖が握られていた。


「え? なんで薬師の神杖が……?」


 杖の周りに、様々な薬草などが浮いてる。

 工房内にあった薬草だ。


 それらが杖の先端に、自分から入っていく。

 杖先に充填され、生成された薬……まさか……。


「調剤!」


 俺が薬師の神杖を使って、ドクオーナに、今作った薬を投与する。

 彼女の体が輝くと……。


「え? あれ! か、体のだるさが消えたわ!」


 むくり、と彼女が立ち上がる。


完全回復薬エリクサーでも投与したの?」

「……いいや、違う」


 完全回復薬エリクサーって、全てのケガ・病気に効くって……一般人は思ってる。

 でも毒と薬は表裏一体。


 強い薬は体に毒になる。

 だから、本当は完全回復薬エリクサーって飲み過ぎはよくないし、できることなら、投与しないほうがいいんだよね。


 ……ん?

 なんか誰かに言わないといけない気がする……。

 ま、いっか。


 とにかくだ。


「適切な病状に対して、適切な薬を投与する。これが、薬師がすべき仕事なんだ、本来はね」


 それで俺は気づいた。

 彼女の病状を治すために、一番適した薬を瞬時に作り、投与できた


「これは……まるで、師匠みたいだ……」


 師匠もたしか、おなじことができたはずだ。

 するとドクオーナが微笑みながら言う。

「成ったのよ、あんたも」

「成った……?」

「薬神に」

「!?」


 そ、そんな……。

 遥か先にいると思っていた、師匠に……並び立つことができたなんて!


「さすがね、リーフ」

「うん……」


 気づけば、俺の頬から涙がこぼれ落ちていた。

 うれし涙だ。ずっと目標としていた人に、追いつくことができたから……。



 

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