193.工房
俺はみんなともに、アスクレピオス師匠の家へと戻ってきた。
この薬屋は今ドクオーナが経営してる。
「リーフ! おじいさまの工房は、いつでも使えるようになってるわよ!」
「ドクオーナ……」
あんなに薬屋で働くの、嫌がってたのに……。
成長したんだなぁ。
俺たちは店へとやってきた。
けど……中には入らず、店の裏手に回る。
「ちょ、リーフ君! どこにいくの?」
マーキュリーさんが尋ねてくる。
あ、そっか。知らないんだった。
「師匠の持つ、秘密の工房に行くんです!」
「秘密の工房……?」
「はい! そこのほうが、専門的機材が、たくさんあるんで!」
普段の薬屋には、通常の薬を調合するものしかそろっていないんだ。
「でも工房っていったいどこに……?」
店の裏手には、巨大樹がある。
そこの根元にうろがあって、その中へと入る。
「こ、これは……!? 中が異空間になってる!?」
木の中には、立派な作業場広がっていた。
テーブル、無数の薬剤、そして抽出機などの専門設備。
木の中とは思えないほどの広大なエリアのなかに、いろんなものが、すし詰めになっている。
「ドクオーナ……ありがとう。ちゃんと、稼働できるよ、これなら」
機材を見れば、一発で、ドクオーナがしっかりここの管理を行っていたことがわかる。
彼女は、ほんとに心を入れ替えたんだなぁ。
「さ、やるわよリーフ! 薬神の力、みせたろうじゃない!」