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174.不死鳥の元へ



 俺たちは聖獣の森へとやっていた。

 不死鳥の巻き起こす死の灰を防ぐための、防塵マスクを同行者二人に渡す。


 俺たちは森の中へと侵入した。

 燃えさかる炎、そして吹き荒れる粉じんにより、前に進むのが難しい。


「防塵マスクなかったら今頃死んでたわね……」

「大丈夫です! 死んだら俺の薬で、その都度生き返らせますので!」

「ああもう! そういうこと言いたいんじゃあないわよぉ! 国語の授業受けてこなかったのぉ!?」

「はい!」

「きぃい!」


 マーキュリーさんは今日も元気だ!

 そんな風に進んでいくと……。俺たちの行く手を塞ぐように、火の海が広がっている。


「この奧にある大樹の根元に、不死鳥が居る」


 エルフのイージスさん森の奥を指して言う。

 たしかに、奥の方に巨大な木が生えていた。


 しかしそれを囲うように、炎の海が広がっている。


「まっすぐ突っ切ってはいけないわね。飛んでみるのは……」


 マーキュリーさんが飛翔魔法を試そうとする。

 だが……。


「駄目ね。魔力が乱されるわ。どうやら魔法が使えないらしい」

「何が原因なんですかね?」

「おそらく大気中の魔素マナすら、この不死鳥の炎は焼ききってしまうんでしょうね」


 何言ってるのかさっぱりだが、魔法がここでは使えないため、空を飛ぶことは不可能だそうだ。


「大丈夫です! 魔法がなくても空は飛べますから!」

「は……? あんた、ちょっと何言って……」

「調剤:筋肉増強薬ブースト!」


 筋肉を一時的に増強する薬を使用。

 ぐぐぐ……と俺の体に力がみちる!


「さ、マーキュリーさん!」

「あんたちょっと何するの!?」


 ずんずん、と俺が彼女に近づく、ぶるぶると震えながら言う。


「マーキュリーさんを掴んで、あっちにぶん投げます!」

「殺す気かてめえ!!!!!!!!!!!!!!」


 え、ええ!?


「そんな……死なないですよ。アーサーじーちゃんは、マッハで投げても死にませんでしたし……」

「人類最強の肉体を持つ剣士と、か弱き乙女を比べないでもえないかしら!?」

「え、でも俺もじーちゃんにマッハで投げ飛ばされてもけろっとしてるけど……」

「あんたとあの田舎の連中は上澄みなんだってなんっっっっっっっかい言えばわかるのよ馬鹿なの死ぬの!?」

「馬鹿じゃないです! 死なないです!」

「このくそがぎゃあぁああああああああああああああああああ!」


 マーキュリーさんが怒ってしまった。反省……!

 じゃあううん……そうだ!


「じゃあ、炎のほうを消し飛ばしますね!」

「いや……それは無理だ。この炎は不死鳥の発する、魔性の炎。決して消えない……」

「どーぴんぐ、ぱーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんち!」


 俺は強化した肉体で、思い切りパンチを繰り出す。

 どごぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!


 大樹まで一直線上にあった炎は、すべて消えていた。

 地面まるごと、えぐり取られている。


 唖然とする二人。

 よし!


「さ、炎は消えました! 燃える物が消えれば、燃やせないですよね!」

「あんたちょっとさぁ……加減とか加減とか、加減って言葉、知ってる?」

「はい!」

「嘘つくなこのがきゃぁあああああああああああああああああああ!」


 またマーキュリーさんに頭ぐりぐりされた。なんでだろう?

 炎がなくなって、向こうに行けるようになったのに……ううん……。


【★あとがき】

有名VTuberの兄、書籍版がいよいよ発売されます!


11/15にGA文庫から発売!


予約始まってます!


よろしくお願いします!


https://www.sbcr.jp/product/4815619374/


挿絵(By みてみん)

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