166.賢者の、まご?
俺たちはエルフの国に来ている。
そこで女王のデルフリンガーさんと会った。
そして……彼女は俺のことを、師匠のお孫さんといった。
「師匠って……?」
「マーリン様ですよ」
「マーリンばーちゃん? え……じゃああなたは、ばーちゃんのお弟子さんってこと?」
デルフリンガーさんは微笑みながらうなずく。
そ、そっかー! 知り合いだったんだー!
「一目でわかりました。あの偉大なる魔法使いさまの、お孫さまだと」
「あ、あのぉ~……」
俺に笑顔をむけるデルフリンガーさん。
しかしそこへ、マーキュリーさんが、恐る恐る手を上げる。
「なにか?」
「マーリンの孫は……あたしなんだけど……」
そう、そうだ。
俺とばーちゃんは別に血が繋がっているわけじゃあない。
本当の家族は、マーキュリーさんのほうなのだ。
「あなたが……師匠の?」
じろじろ、とデルフリンガーさんがマーキュリーさんを見たあと……。
「その程度で?」
と若干馬鹿にするニュアンスで、そういった。
むかっ。
「失礼ですよ、デルフリンガーさん!」
俺にとってマーキュリーさんは大切な人だ。
馬鹿にされるのは、ゆるせない!
「彼女に謝ってください!」
「リーフ君……やだ……男らし……」
「確かにマーキュリーさんは、ばーちゃんと比べて魔力量も少ないし、使える魔法の数も全然少ないし、魔法の才能あんまないけども!」
「正論で顔面をパンチしないでええええええええええええええええ!」
なんで?
本当のことじゃないか!
「でも、本当にばーちゃんのお孫さんなんです!」
デルフリンガーさんは俺を見て……首をかしげる。
「あなた様ならわかります。その魔力量、そして精霊を従えるその才能。しかし……本当にそこの小娘が……?」
「はい! そこの小娘が、です!」
デルフリンガーさんは納得いってないのか、マーキュリーさんを何度もじろじろ見たあと……。
「わかりました、リーフ様に免じて、信じましょう」
「よかったね! マーキュリーさん! って、あれ? マーキュリーさん?」
彼女はしゃがみ込んで、地面を指でいじいじしていた。
「どーせあっしは、才能ないですよぉ~……」
「どうしたんですかマーキュリーさん! 事実を口にして!」
「あああもぉおお~……デリカシー~……」
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