165.死刑?
俺はエルフの国へとやってきている。
そこで女王、デルフリンガーさんと会った。
「そなたが、侵入者たちか?」
デルフリンガーさんは俺の目をじっと見つめてきた。
多分こちらの反応を伺っているのだろう。
「はい。グラハム公爵に頼まれてやってきました。薬師のリーフ・ケミストともうします。こちらはマーキュリーさん」
「ど、どうもぉ……マーキュリーです」
おっかなびっくりそう答える、マーキュリーさん。
どうしたんだろう……?
「ほぅ……そなたわらわの魔力を受けてもなお、立っていられるのか?」
「? はい。別に、そんなちんけな魔力じゃなんとも」
すぱん! とマーキュリーさんが俺の頭をはたく。
「申し訳ありません! リーフ君! ちんけとか言わないの!」
「え、でも全然じゃないですか。マーリンばーちゃんと比べたら」
俺の出身である、英雄村の村長婦人、マーリンのばーちゃんは凄い魔法使いだった。
あの人くらいあれば、まあすげえなってなるけど。
ばーちゃんと比較し、デルフリンガーさんはさほど高い魔力量とは思えなかった。
「ふむ……」
こつこつ……と近づいてくる。
「ひぃい! すみません! この無自覚馬鹿にはあとでちゃんと言い聞かせておきましたすから!」
「無自覚馬鹿? だれですそれ」
「おのれじゃぼけええ!」
やがてデルフリンガーさんは俺たちの前にやってくる……。
そして……。
すっ、と跪いて、頭を下げてきた。
「へ?」
「大変失礼しました、まさか、師匠のお孫さんとは」
……はい?
師匠……え? 師匠!?