160.これから
黒銀の召喚士と合流した、タイちゃん、プリシラ組。
「黒銀殿。これからどうなさるおつもりか?」
「……ヘンリエッタさんからの依頼を、こなす」
依頼の内容は、このエルフの国で暴れているという、謎の化けもの討伐だという。
「謎の化け物……?」
「……おそらく魔神だと思う」
「魔神……」
タイちゃんの脳裏には、王都を襲った化け物の姿がよぎる。
顔無しの化け物。
なんにでも変化する、あの異形の存在……と。
それに加えて、もうひとつ。
暴走した状態の、リーフ・ケミストの姿。
圧倒的な破壊の力を持って、敵を殲滅して見せた……。
まさに、神と言っていい。
「あの、黒銀様。リーフ様との合流を手伝ってくれませんか?」
「……リーフ君もいるの?」
「はい。途中で別れてしまって……」
キルトは実に嫌そうな顔をした。
自分の仕事に加えて、面倒なことまでしたくないのだろう。
「黒銀どの。我らはこの国の流行病を治しに来た。だが主……リーフがいればそれは直ぐに片付く。さすればあなたの仕事を手伝ってもらえるかと」
「……Sランクがふたりなら、仕事が速くかたづくってこと?」
「然り」
なるほど、とキルトは納得したようにうなずいた。
「……わかった。じゃあまずはリーフ君と合流しよう」
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