148.金のなる泉
プリシラさんちの庭に、人工菜園を作った。
その中に、完全回復薬が湧き出る泉を俺が作った。
「リーフさん、マーキュリー様」
「プリシラ様……」
俺がお世話になってる、グラハムの家の人たち、プリシラさんとそのお父さんがやってきた。
「やあやあリーフ君! 君がきたってのを聞いてね、挨拶にきたのだよ。はっはっは!」
お父さんは朝からキラキラしたかっこいいスーツに、装飾品を身にまとってる。
それを見て、マーキュリーさんが何かに勘づいた様子。
「……グラハム公爵。なーんか、ずいぶんと顔がつやっつやしてませんか?」
「む? そうかな! だとしたら孝行息子のおかげかな! あっはっは!」
お父さんが俺のことを抱きしめてくる。
俺はこの家の養子になっているのだ。
「まさか……売ってません? これ」
マーキュリーさんが、完全回復薬の泉を指さす。
お父さんはしっかりうなずく。
「もちろん」
「……やっぱり!!!!!」
前にお父さんから言われたのだ。
この完全回復薬を、少し分けてはくれないかって。
「いいの!?」
「あ、はい」
「あっさり……どうして?」
「え? だって完全回復薬ですよ? そんなの簡単に作れますし、なんだったら今はもうただで自動で沸いてくる……まあミネラルウォーターみたいなもんですし。どうぞみたいな」
「完全回復薬をミネラルウォーターっていうなや……!!!!!!!」
俺にとっては飲み水に近いしなぁ。
マーキュリーさんが俺の肩を掴んで、がっくんがっくんと揺する。
「ねえこれ、ほんと金のなる木じゃなくて、金の沸く泉なのよ!」
「はぁ」
どうでも良かった。
「そんなミネラルウォーター感覚で売って良い物じゃないの!」
「え、でもマーキュリーさんもミネラルウォーター感覚で、頭痛薬飲んでません?」
「ああそうだよちくしょう! 誰のせいだと思ってるの!?」
「え、誰?」
「おまえじゃああああああああああああああああああああ!」
何度もマーキュリーさんが俺を揺する。あれれれ、なんで怒ってるんだろうか……。
グラハム公爵は笑顔で言う。
「まあまあ、いいじゃないか」
「そりゃあなたはほっくほくでしょうけども!」
「きちんと市場が混乱しないように、コントロールしながら売ってるから問題ない」
ほくほく顔でグラハム公爵が、俺のことを抱きしめてくれる。
「ああほんと、君は最高の息子だよ」
「いやぁ……照れますなぁ……」
マーキュリーさんがなんだか、疲れたように大きくため息をつくのだった。
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