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143.パシリ



 ヴァンデスデルカは村人達の方針を聞いた。


「じゃ、自分はこれで」


 村の人たちがリーフをどうするかは、魔族であるヴァンデスデルカには関係ない……が。


「「お待ち」」

「ひぃい!」


 ヴァンデスデルカはとても嫌な予感を覚えていた。

 今すぐにでも逃げないと!


「ぐ、【大転移グレーター・テレポーテーション】!」


 古代魔法の一つ、大転移。

 遥か遠くの場所までテレポートできる魔法だ。


 村から一瞬で、別の場所へと転移したヴァンデスデルカ。


「ふぅ……危ない危ない。厄介ごとを押しつけられるとこだった……」

「ん? 厄介ごとってなんじゃあ、ヴァンデスデルカちゃん?」

「ひぎいぃいいい!? あ、アーサーさんぅううううううう!?」


 背後には、村長アーサーが立っていた。

 その後ろにはマーリンがホウキにのって飛んできた。


「どうなってんすか!? うちはテレポートしたはずなのに!」

「空間を魔法で操作し、転移先を村の中に変えたんです」

「た、他者の魔法に干渉!? そんなことが……できるなんて……」


 通常、魔法は使い手の命令に従い発動する。

 使い手以外が、外から命令を与えることは通常不可能。


 まさに神業といえる。

 ……それを平然とやってのけるが、大魔女マーリン。


「さて……ヴァンデスデルカちゃん。頼みたいことが……」

「いやっす!」

「治癒神様の足跡を調べて欲しいんじゃ」

「いやっていってんじゃないすかぁ!!!!」


 今回の件で、だいぶ治癒神アスクレピオスがきな臭くなってきた。

 だから、調べさせようということらしい。


「おお、そうか断るのかのぅ」

「そうっすよ!」

「じゃあ魔族滅ぼすけど、いい?」

「ひぎぃいい!」


 元魔王ヴァンデスデルカは、この英雄達に生かしてもらっている立場だ。

 やろうと思えば、この二人で魔族の集団を、皆殺しにすることなんて、赤子の手をひねるかのごとく容易いこと。


「そうかー。わしはおぬしを気に入っておったからなー。心苦しい」

「うう~……わかったっすよぉ~……」


 はあ……とヴァンデスデルカがため息をつく。

 どうあっても、この英雄達から逃れられぬ運命らしい。


「じゃあヴァンデスデルカちゃん。部下を使って、アスクレピオス様の伝承や、足跡を調べてきておくれ」

「逐一報告してくださいねぇ。はいこれ通信用の魔道具」


 こうして魔王ヴァンデスデルカは、英雄のパシリとして、アスクレピオスを追跡することにしたのだった。

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[気になる点] さすがに「魔族滅ぼす」はあまりに邪悪なのでは ちょっと笑えない
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