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140/257

140.出生



 元魔王ヴァンデスデルカは、デッドエンド村に報告に戻っていた。

 村長のアーサーととともに、村へと戻る。


「もーもー」「べーべー」「う゛ぇええええう゛ぇええええええ」


 村のそばには、家畜たちが檻で囲われており、牧歌的な雰囲気が漂っている。

 しかし……。


「キングミノタウロスに、オピオタウロオスに、アウズンブラが、家畜として飼われてる村なんて、世界広しといえどここしかないっすよなぁ……」


 どれも、化け物級にヤバい、牛のモンスターである。

 しかしその化け物たちを凌駕する、異次元の存在。


 それがこの、英雄村こと、デッドエンド村に住む老人達だ。

 アーサーが挨拶していく老人達は、みな文字通り英雄達。


 竜を討伐したとか、海を渡ったとか、世界を救ったとか。

 そんなヤバすぎる偉業をこなし、そして引退した連中がここに集まっているのである。


 アーサーはヴァンデスデルカとともに、自分の家へと戻ってきた。


「おーい、ばーさんやーい。帰ったぞー」


 すると目の前に魔法陣が展開し、そこへ、老婆が現れる。


「転移魔法……無詠唱でやるなんて……」

「おかえりなさい、おじいさん。それに……ヴァンデスデルカ」


 大魔女マーリン。

 世界に存在する、凄い魔女のなかのひとりだ。


「お、おひさしぶりっす……マーリンさま」

「まあまあ。すっかりヴァンデスデルカも、人間の姿が板についてきたわね」


 魔王は本当は魔族。

 しかしリーフ・ケミストに接触するために、見た目を偽装してるのだ。


 現在はシスター服を着た、人間の美少女姿をしている。


「それで?」

「今日は報告と……聞きたいことがあってきたっす」


 魔王はもともと、この老人たちに命じられて、王都にいる邪教徒たちを調査しにいった経緯がある。


 ヴァンデスデルカは王都で見た邪教徒と、彼らがあがめる邪神について報告。


 そして……邪神との戦いで話題に上がったのは……。


「突如として、リーフ君が謎の力を解放して、全部を片付けたっす」

「「…………」」


 リーフ・ケミスト。

 最初から化け物じみた力を持っていたが。


 しかし、王都で見せたのは、もうそんな化け物とかそういうレベルを超越していた。

 全てを破壊し、全てを元通りにした。


「あんなの……もう、神じゃないっすか」


 そう、神。

 邪悪なる神に対抗できうる存在もまた、神でしかありえない。


 魔王は層結論づけた。

 つまり……。


「リーフ君って……ひょっとして……邪神なんじゃないっすか?」

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも楽しく見ています。、感想は初めてです。 さてさて、ここが分水嶺になりそう(決めつけ)。 爺たちが知っているか知らないかで色々と……知ってればある種の外道だけど魔王すらパシりにしてるの…
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