135.キンキンキンキン
俺、リーフは後輩のローレンくんと、手合わせすることになった!
プリシラさんちの庭にて。
俺の拳とローレン君の拳がぶつかり合った結果、屋敷に張られていた結界にひびが入った。
そして……拳を通して伝わってきた。
彼……とんでもなく強い!
ものすごい研鑽をしていたのが、あの拳から伝わってきた。
あんなに若いのに……。
「今の若い子は……すごいね!」
「ありがとう! せんぱいも、かなりやるな!」
ここに来るまでに、アーサーじーちゃんにいっぱい特訓してもらったからね。
じーちゃんを褒めてくれたみたいで、めっちゃ嬉しい!
「よし、いくよ!」
「うむ! いくぞ!」
だっ! と俺たちは地面を蹴りそして……。
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!
「ぬぅ!」
「やるね!」
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!
「「まだまだ!」」
「待てやごらぁああああああああああああああああああああああ!!!!!」
俺たちのバトルを見ていた、マーキュリーさんが大声でツッコミを入れる。
「かもぉおおおおん! モンスターズ!」
「「モンスター!? どこ!?」」
「おまえらだよぉおおおおおおおおお!!!!!!」
あれ? 俺たち?
俺たちはモンスターじゃ無いんだけど……? どうしたんだろう。
俺はローレン君とともに、マーキュリーさんの元へ行く。
彼女はそうとうご立腹の様子で、腕を胸の前でくんで、俺たちをにらみつけてきた。
「何今の?」
「何って……」「手合わせ?」
はぁ……とマーキュリーさんがため息付く。
「なんか、変な音出てなかった? キンキン! って」
俺の拳と、ローレン君の拳がぶつかり合った音だ。
「え? 鍛えた拳って、鉄みたいに硬くなりますよね?」
身体強化薬の効果もあるけど、ぐっ、と握っただけで拳が真っ黒になる。
「ならねーよ!」
「うむ! なるぞ!」
ぐっ、とローレンくんが拳を握りしめると、ほら! やっぱり鉄みたいになる!
「ねー! なるよねー!」
「うむ! なるなるー!」
やっと話が通じる人が出てきたよー!
都会に来て、俺の周り、俺の知ってることを知らないって人、たくさんいすぎてさ。
ちょっとね、思っていたんだ。
俺、おかしいんじゃないかって。
でも!
ローレン君って言う、仲間ができた!
俺は……一人じゃない。
俺は間違っていなかったんだ。
「拳は鍛えるとこうなるよね!」
「なる!」
「ねーよ!!!!!!!」
だんだん! とマーキュリーさんが地団駄を踏む。
「え、でもローレン君はなるって……」
「比較対象がバグってんだよ!!!!!!」
「え、ローレン君は虫じゃないけど……」
「そうじゃねえええええええええええええええ!」
よくわからないけど……。
でも、これだけは、たしかだ。
「俺は……間違ってなかった」
「そうだぞ! さぁ! やろう!」
「うん!」
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!!!!!
「人間の拳では決して出ないような音出すの、やめろや……!!!!!!」
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