133.貴族のおうち
俺に後輩ができた!
10歳の田舎少年、ローレンくん!
マーキュリーさんのところで一緒に厄介になる予定だったんだけど……。
彼女、なんかすっごい怒っちゃった。
ギルマスに抗議したところ、プリシラさんのところで、面倒見てくれるってことになったんだよね。
プリシラさんは俺が田舎を出て初めて出会った人だ。
その後いろいろあって、俺はプリシラさんの家、グラハム家の養子になったんだよね。
「リーフさまっ! おひさしゅうございますー!」
金髪の美しい女の子、プリシラさんが俺に抱きついてきた。
もにゅっ、と柔らかいたわわが、はわわ……。
「ひ、久しぶりってほどでも……でしょう? プリシラさん」
「一日会えないだけで、千の秋を体験するほどの、思いということですわ」
「そ、そっか……」
大変だなぁそれは。
すると俺の背中をぶすぶす、とマーキュリーさんが指さしながら言う。
「随分とグラハム公爵令嬢と、仲が良さそうじゃ無い? 別にいいけど、あたしは全然気にしてないけど」
そっか、気にしてないのか!
「温室の管理を、一緒にやってるんです」
「温室……?」
「はい。あとで案内しますね!」
じっ、とプリシラさんが俺の隣に居る、ローレン君を見やる。
「この子が、例の?」
「はい。ローレン君です。今度うちに所属することになりました。ローレン君、彼女はプリシラさん。公爵家のご令嬢だよ」
俺は彼に、初めてお世話になるんだから、礼儀正しくっていっておいた。
ローレン君は居住まいを正すと、腰を90度曲げて挨拶をする。
「ローレンだ! よろしく頼むぞーーー!」
その瞬間……。
ぶわわわ……! とローレン君から突風が吹いた!
「「きゃああ……!」」
女性陣の悲鳴が!
衝撃とともにマーキュリーさんと、プリシラさんが吹っ飛んでいく!
危ない!
俺は調剤スキルで、身体強化薬を作る。
体を強化し、飛んでいったプリシラさんを空中ダイレクトキャッチ!
「大丈夫!?」
「は、はいっ」
俺はそのまま着地。
マーキュリーさんは「ぐべえ!」と頭から地面に激突する。
「あれ? マーキュリーさん、飛べるんじゃ?」
「ああそう、飛べますよ? 飛べますけどね? そこは助けてくれても良かったんじゃあ無いですかな? ねえ? ええ?」
乱れた髪の毛を手ぐしで治すマーキュリーさん。
え、でもマーキュリーさん飛べるし……。
プリシラさんのほうがか弱いから、助けただけなんだけど。
なんで怒ってるのだろうか……うーん、謎。
「ありがとうございます、リーフ様。やはり、リーフ様はお優しいお方……♡」
俺の腕をぎゅっとつかむプリシラさん。
たわわがはわわわ。
そんな俺の足を、マーキュリーさんがぎゅーっと踏んづけてきた。なんでだろう? 虫でもいたのかなぁ?
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