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128.居場所



 王都での動乱から、数日が経過した。


 俺はギルマスのヘンリエッタさんに、呼び出されていた。


「リーフよ。このたびは、王都を救ってくれたこと、心より感謝するぞ」


 窓際の席に座り、俺を見上げるヘンリエッタさん。

 彼女は微笑んでいた。


「…………」

「どうした?」

「……あの、その」


 彼女は、知ってる。

 俺の、あの【姿】を。


 見てしまったのだ。知ってしまった。

 俺が……力を解放した結果、どうなったかを。


「俺……ギルド、首でしょうか?」


 ぽかん……とヘンリエッタが口を大きく開く。


「な、何言ってるのだ?」

「だって……俺……」


 薬を飲まずに、力を解放した。

 その間のことはぼんやりとしか覚えていない。


 あの状態になった俺は制御が効かないのだ。

 おぼろげだけど、結構いろんなことをやってしまった。


 ……きっと、ヘンリエッタさんに嫌われる。

 ギルドのみんなにも。


「俺が実は……化け物だったなんて……!」


 優しいギルドのみんなも、さすがにこんな化け物を、置いておきたくないだろう。

 うう……俺、ここ気に入ってたのに……。ぐすん。


「ま、まてリーフ……ちょっと待て」


 ヘンリエッタさんが、恐る恐る聞いてくる。


「もしかしてそれ……ギャグで言ってるのか?」

「え?」

「え?」


 ぽかーん……とする俺とヘンリエッタさん。


「まじか……」


 彼女が天を仰ぎ、深々とため息をついた。


「リーフ」

「はい……」


 すぅ……とヘンリエッタさんは大きく息を吸って言う。


「おぬしが化け物ってこと、みんな最初からとっくに、知っておったよ!」


 な、

 な、

 な!?


「え、ええええええええええええええええええ!? そ、そうなんですか!?」

「むしろ今驚いてるほうに驚くわ……!」


 そんな……。

 俺、今まであの姿、一度もさらしたことなかったのに!


「す、すごい! みんな慧眼なんですね! 隠してた正体を見破るなんて!」

「おぬしのどこに、隠してる要素あった!? もう最初っからやばさ全開じゃったろう!?」

「えええええええええええ! そうだったんですかぁ……!?」


 そんな、やばさ全開だったなんて……。

 ええっと……。


「どこがやばかったんでしょうか?」


「「「全部だよ……!」」」


 ばんっ! と扉が開いて、みんなが入ってくる。


 エリアルさん、タイちゃん、デルカさん……。

 そして……。


「マーキュリーさん!」


 無事な姿のマーキュリーさんに、俺は思わず瞬間移動ハグをかます。


「ぎゃああ! 一瞬で消えたと思ったら目の前に居たぁ!」

「良かった! マーキュリーさん! 無事でぇえええええええ!」


 マーキュリーさんは地下にとらわれていた。

 本当は俺が助けたかったけど、エリアルさんに任せたのだ。


「ありがとうございます、エリアルさん! マーキュリーさんを助けてくれて!」

「お気になさらずですわ、リーフ」


 エリアルさんなんか紐みたいな服をみにつけて、前よりも露出増えていたけど。まあいいか。


「それをまあ良いかですませられるから、あんたは化け物だって言ってるのよ……リーフ君……」


 マーキュリーさんが苦笑しながら、俺の頭をなでてくれる。

 とにかく、彼女が無事で本当の本当に、良かった。


 ……でも、一番嬉しかったのは。

 俺に、変わらず笑顔を向けてくれることだ。


「マーキュリーさん。みなさん、これからも俺……ここに居ていいんですか? 俺……化け物なのに……」


 全員が、笑ってうなずく。


「「「知ってるから」」」

「そっか! うう、よかったー!」


 みんなが俺を受け入れてくれる。

 俺の正体については、俺もよくわからない。


 自分でも自分がよくわからない。

 そんな……正体不明の化け物を。


 天与の原石のみなさんは、快く受け入れてくれた。

 それがほんとうにうれしかった。


 じーちゃんばーちゃん、見てるかな?


 俺……第二の居場所を、都会で作れたよ!

 今度みんなにも、紹介するね!

これにて、3章終了です! 4章に続きます!



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