表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

124/257

124.化け物の力



 リーフと相対する邪教徒。 

 彼は邪神の力をその体の中に取り込んだことで、真っ黒な化け物に変貌した。


『すごい! すごいぞ! 力がみなぎるぅううううううううううう!』


 彼の両腕は炎で包まれている。

 しかし、左右で別の色をしていた。


 右は青い炎、そして左は黒い炎だ。


『くたばれ化け物ぉおおおおおおおおおおおお!』


 ふっ、と邪教徒が姿を消す。

 一瞬でリーフのそばまでやってくると、左腕で彼をなぐりとばす。


 リーフは手でガードしようとして……とっさに蹴りに変える。

 蹴りと拳がぶつかり合って、余波で周囲の物が吹き飛ばされる。


 しかし……。


「ぐ……!」


 リーフはそのままの勢いで背後に、王都へと吹っ飛ばされる。

 城壁をぶち抜き、時計台を破壊して、地面の前に転がり込む。


 リーフはすぐさま立ち上がろうとして、がくんっ、と体のバランスを崩した。


「! これは……足が、ない!」


 邪教徒の攻撃を受けた部分、右足が……消滅していたのだ。


『ふははあ! すばらしい! すばらしいですぞお邪神様ぁ……!』


 ずん、と上空から邪教徒が降り立つ。

 顔のパーツは全身の目玉だけだ。

 口がないけれど、体中の目がにぃ……と細められ、強者に膝を付かせた喜びを表現する。


「消し飛ばした……いや、違うな。触れた物を、別の物に強制的に変換する……のかな」

「! な、なぜわかった!?」


 本気で、驚いた。

 今邪教徒は自分の力を自覚したばかりだった。


 力を使った瞬間、啓示のように頭に能力の使い方が浮かんだのである。


 つまり、誰も知らないはずの力を、この男は気づいたと言うこと!


「え、うちの村で、同じような力を使う人がいたからさ」


 ……リーフの出身は英雄村。

 引退した英雄達が暮らす田舎の町。


 その中にはたくさんの、常識を越えた力を使う英雄達がいる。


『ば、ば、馬鹿なことを言うな……! そんなのいるわけが……』

「でもセイばあちゃんは、ポーション1つでどんなものも、別のものへと変えることできたしね」


 リーフは調剤スキルを使って薬を作り、失った足を元通りにする。

 さらりとやってのけているが、失った体のパーツを作ってはやす技術なんて、人間で使えるものではない。


 ……この力を得ても、邪教徒は全く油断できなかった。

 自分は化け物だが、相手もまた……怪物なのだから。


【★☆新連載スタート!】


先日の短編が好評のため、新連載はじめました!

タイトルは――


『伝説の鍛冶師は無自覚に伝説を作りまくる~弟に婚約者と店を奪われた俺、技を磨く旅に出る。実は副業で勇者の聖剣や町の結界をメンテする仕事も楽々こなしてたと、今更気づいて土下座されても戻りません』


ページ下部↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!

リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://ncode.syosetu.com/n6008ia/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ