120.守る獣
一方、王都の郊外では、ベヒモスのタイちゃんが現場へ到着した。
かなりの数のモンスターが、いっせいに王都に向かって走っている。
『スタンピード……!』
食料が減ったことにより、大量のモンスターが人里へ降りてくる現象だ。
おそらくは顔無しの化け物が裏で暗躍し、彼らをたきつけているのだろう。
種族がバラバラのモンスターが一心不乱にかけてくる。
『あの中には顔無しが変身したボス個体がいるのだろう。仲間を率いて王都へ襲撃……というところか』
つまり100を超える種のモンスターたちのなかから、群れを率いてるボスを見つけだして、倒さねばならない。
大量のモンスターがいるなかで。
『…………』
無理、という言葉が脳裏をよぎる。
無謀、という言葉もまた通り過ぎていく。
……しかし。
『フッ……なぜだろうな。主を思うと、どんな不可能もなんとかなるような気がするのである』
目の前で数多くの不可能を覆してきた、リーフ・ケミストを見てきたからこそ。
今置かれている不可能に思える状況が、なんとか打破できるような気がするのだ。
『吾輩も化け物に染まってきたかな……』
タイちゃんは手始めに、闇の力を解放する。
ベヒモスは闇の力を使う。
『まずは手始めに! 【黒炎砲】!』
タイちゃんが口を大きく開いて、そこから黒い炎を吐き出す。
巨大な黒い炎の塊が、モンスターの大群の中で爆発する。
黒い炎を消そうと転がるモンスター。。
しかし炎が消えることは無い。
『黒炎は闇の炎。通常の炎と違って水も効かぬし、土をかけても無駄だ。死ぬまで、燃やし続ける』
タイちゃんに怯えたのか、一瞬モンスター達の動きが鈍る。
『さあ、かかってこい貴様ら。先祖返りしたベヒモスの力……とくとご覧じよ!』
【★☆新連載スタート!】
先日の短編が好評のため、新連載はじめました!
タイトルは――
『伝説の鍛冶師は無自覚に伝説を作りまくる~弟に婚約者と店を奪われた俺、技を磨く旅に出る。実は副業で勇者の聖剣や町の結界をメンテする仕事も楽々こなしてたと、今更気づいて土下座されても戻りません』
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