118.一皮むけた?
捕らわれていたマーキュリーのもとに現れたのは、Sランク冒険者のエリアル……。
「だよね? エリアル」
「おーほほほ! 見てわかりません!?」
「見てわっかんないから聞いてるのよ! なにその変な格好は!?」
エリアルは今まで、男のような、あまり肌を露出しない服装をしていた。
しかし今はどうだろう。
革でできた、ひもみたいな服に袖を通してる。
その手には鞭が握られていた。
「この服はデルカさんに作ってもらいましたわ!」
「つ、疲れた……」
後ろから魔王ヴァンデスデルカが現れる。
どうやら魔法で服を創造したらしい。
「そ、その鞭は……?」
「ダンジョンにあったものを拝借しましたの!」
途中でいろんな部屋が合った。
捕まえてきた人間を幽閉しておく部屋。
そして、武器庫。
エリアルは武器庫から自分に合った武器を拝借してきたのだ。
「あ、あんた剣使いじゃなかったっけ……?」
「わたくし、気づきましたの……」
「わたくし? なんか……キャラ変わってない……?」
エリアルはリーフ・ケミストの作ってくれた、緊張をほぐす薬によって、本来の自分を解放してる。
「今まで……わたくしは自分を隠してきました。女であることを隠し、男になりたいと……でも……」
肉壁から、びゅっ……! と肉の触手が無数に伸び、彼女を捕縛しようとする。
だがエリアルは鞭を、鋭くしならせた。
すぱぁんん! と触手が一斉に消える。
「わたくしは……知りました。自分を解放する……快感を……!」
さらに多くの触手がエリアルに襲いかかる。
だが彼女は窮地にて笑い、鞭を振るった。
鞭は自在に動いて、敵の触手を全て打ち払う。
「す、すご……」
「おほほ! さぁ……! 女王様の鞭を欲しいのはだぁれ? 片っ端から、鞭で打って差し上げますわぁ! おーーーーーーーーーーーほっほっほ!」




