101.悪魔の力
ギルマスのヘンリエッタが、敵の企みを見抜いた一方。
リーフのバディであるマーキュリーは、魔王ヴァンデスデルカとともに地下に潜っていた。
「薄気味悪いとこねここ……」
廃墟の地下にあいた大穴。
そこから飛び降りた先には、じめっとした空間が広がっていた。
土むき出しではあるが、通路になっている。
なかの地図なんてものはないため、マーキュリーたちは完全に迷子になっていた。
「どうしましょう」
「……仕方ない。できれば、見られたくなかったが」
ヴァンデスデルカは懐からナイフを取り出す。
マーキュリーはそれが、呪いの道具であることがわかった。
「あなた……なにを?」
「吾輩が最も得意とする魔法を使う」
「そのナイフ……呪具ね。しかも、かなりランクの高い……召喚魔法に使うものだわ」
「さすがマーリン様のお孫さんっすね」
聖女の見た目をしているが、その中身は魔の王。
人間では使えない、禁忌の魔法を使おうとしていた。
魔王は手首を切って、大量の血を地面に落とす。
それは念じただけで魔法陣へと代わった。
「我が呼びかけに応えよ……ストラス!」
「ストラス……? そ、それって!」
「36番目の悪魔にして、智の君主よ! 呼出!」
血の魔法陣から湧き出てきたのは、黒い靄。
それが1つの塊をなし、この世に顕現する。
黒い、フクロウだ。
頭には冠を載せている。
「これぞ我が魔王の血族に伝わりし魔法……【悪魔召喚魔法】っす」
「悪魔召喚魔法……」
悪魔。この世のものではない、異質な化け物。
モンスターでも、魔族でも、魔神でも、神でもない……イレギュラーの存在。
「そんな化け物呼び出すなんて、さすがは魔王ってところね……」
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