てるてる照る照るてるてる坊主
てるてる坊主は、雨を晴れにするというのは、有名な話だ。このご時世、誤った晴天が、正しい害悪を世界中に振りまいているようだ。この状況を打開するには、二つに一つ。大雨を降らせて、太陽を隠す。もう一つは、「あっぱれ」という正しい晴天で、正しい恵みを世界中に届けることである。君は後者を実現するために、生まれてきたようだ。もっとも、逆さにつるされてゲリラ豪雨を降らさせられるという案もある。でもそれは、嫌だろう。ここで、とある青年の子供時代の晴天で良かった話を紹介したいと思う。(ノンフィクション)
ある暑い暑い夏のこと。一人、高校生の俊介は、部室で漫画を読んでいた。練習に行きたいのだが、どうもつまらない。ただ、胴着と弓と矢と漫画しかない。そして、困ったことにエアコンも扇風機もない。ただ、前日夜更かしをしてしまった俊介は、うたた寝をしてしまった。すぐには、夢の世界には、いけなかった。自分も内心早く夢の世界に行きたいのではないか。俊介は、うだるような暑さの中、何度も何度も夢落ちしようと試みた。だが、その度に俊介の水分は、汗として排出された。外気は39°。猛暑日。うだるよう暑さだが、俊介には、持ち前の粘り強さとがっがあった。諦めないぞ。諦めないぞ。絶対に諦めない。必ず夢の国へ。因みに俊介は、平均的な学力で大体偏差値50程の公立高校へ進学。背格好は、ひょろひょろした、もやし体型。体力は、下半身の脚力が武器だが、しばらくトレーニングを怠っていたので、平均以下。だが、小学校の頃から、逃げ足が速く鬼ごっこで無双していた。肩力・腕力はシャドウピッチングで鍛えてきたが、平均以下。やじろべいだから。見た目も普通。だが、額には特徴的なホクロがあった。すこし、キツイ目をしていたかも。夢は、見るものではない。叶えるものだ。そう思いながらひたすら。目を閉じ続けた。そんな時、近所に住むある”おじさん”からの頼まれごとを思い出した。「自分は、高校時代県下1の超有名な進学校で、弓道部に入っていたのだが、精神的に不安定になり、退学してしまった。その後は、今みたいに通信制とかないから、色々なバイトをしながら、定時制高校を卒業した。今思えば定時制、出といてよかった。卒業後は、”お掃除のお仕事”をして今に至る。」「へぇ~。すごいですね。」35年間、清掃業一筋か。関心するなぁ~。俊介は、内心そう思った。「ところで、お願いがあるんだけど。実は、これ俺の思い出の矢なんだ。全部で七本ある。」この矢を使って皆中させてほしい。※皆中とは、弓道では四本中四本全て的を射抜くことである。頑張って立ち上がろうとしろうした瞬間、本当に意識を失ってしまった。2分後に、同輩たちが着替えにやってきた。一命をとりとめた、俊介だった。七本の矢は、連動していて四本以上に強い衝撃が加わると爆発する仕掛けだった。危なかった。程なく、”おじさん”の家には、ガサ入れが入り、沢山の無線機や危険物が押収され、”おじさん”は逮捕された。”お掃除のお仕事”とは、政治的重要人物を物理的に抹殺することだったのだ。弓道部の顧問は、与党幹部の子弟だったのだ。猛暑日で、良かった。そして、部室で熱中症になった僕を最初に発見してくれた飛角(とびかど、と読む)君そして、119番通報してくれた、森菅(もりすげ、と読む)さんには、とても感謝している。
そして、夏を3回越えて、高校3年生の秋になった。そろそろ志望校を決める季節になった。俊介は、元来計算が得意で理系の才能があった。あの事件を経験して、科学をもって科学を悪用したトラブルを解決したいと思っていた。勿論、第一志望は、京都工業大学、通称”京工大”。理科系の国立大学では、ナンバー4に位置する。志望学部は、第二理学部脳機能心理工学科犯罪心理学研究コース。俊介は、森菅(もりすげ、と読む)さんの支えもあり、猛勉強の甲斐もあり見事、第一志望に合格した。もうお気づきであろう。そう、俊介の苗字は、菅佐原。本名は菅佐原 俊介。第114代内閣総理大臣である。あだ名は、イラ佐原。その後、彼は大学で、意識高い系のサークル活動にどっぷりはまった。色々な手段で、仲間を増やしかなり危ない橋を渡った。それでも、森菅さんの機転と持ち前の逃げ足で、最後まで警察に捕まることはなかった。ピラミッド下から4段目の男と呼ばれた。その後は、要領よくgpa3.3で卒論「人は、何故道端のペットボトルで命を落とすのか」を提出し卒業した。さらに、司法書士の資格を取り過払い金に悩む非正規労働の方達を助けたり、奨学金返済に悩む労働者を助けたりした。そうこうしている内に、勇名は轟き、安田鈴江という元喜劇女優出身の衆議院議員の秘書にならないかと声がかかった。とても悩んだが、妻の強い勧めで受けることになった。このころ頃には、森菅聡子さんとは結婚していて、菅佐原聡子になっていた。その後秘書として10年勤め上げ政策担当秘書の資格を得た俊介は、地元の県議会議員なった。x県議会である程度活躍して副議長になった。ねじれ議会の中、知事と暗闘を繰り広げた。最後には、知事に三行半を突き付けた。満を持して立候補した衆議院選挙では40年ぶりに復活した中選挙区制の中、これまた40年ぶりに復活した戸別訪問を一世帯当たり3回という超どぶ板選挙を行い見事トップ当選。当選5回目で厚生労働大臣に初入閣。精神科医療の闇や、障がい者福祉の問題に取り組んだ。そして、当選8回目で、第114代内閣総理大臣に。すこし、しくじっちゃたけど。まるで、お月さまのような男だ。
さて、月もいれば太陽もいる。その太陽が問題なのだ。本来であれば、てるてる坊主の力で太陽は大地を照らす事ができる。それによって、草木はまっすぐと伸びる。てるてる坊主よ、太陽の力になってほしい。頼む。太陽がガス欠になる前に。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。以前、別名義でポエムを投稿していたものです。これからは、たきしゅん(滝川俊太郎)名義で心機一転頑張ろうと思います。楽しんでいただけたでしょうか。落ちを3カ所作りました。次回作も楽しみにしていて下さい。