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プロローグ

 初投稿で、文の拙い作品ですが、よろしくお願いいたします。

 町外れの今は放棄されて荒れ放題になっている砦。

 夜も深き時刻ではあったが、その砦の前にある広場は非常に騒がしかった。


「たぁっ! はっ!! とりゃ!!」


 1人の少年が山賊風の風体の男たち10人程度を相手に素手で奮闘している。

 その少年に襲い掛かる山賊風の男たちの後ろに魔法使いの杖を持って魔法を構えている7人の魔法使い。

 そして指示を出している山賊の頭と思われる指揮官が1人。

 計18人の山賊を少年が果敢に捌いていく。


 突っ込んでくる相手は飛び越し首を掴み投げ飛ばす。


 大振りで剣を振ってきた相手が居れば、その相手の手を掴みそこを支点に空中で1回転の回転蹴りで周囲の男たちを翻弄していく。


 さらに後方の魔法使いが魔法を撃とうとするとすかさず射線に山賊を挟み、魔法が飛んでこないように立ちまわっている。


「相手はただ1人! さらに丸腰だ! ひるむな!」


 だが、山賊もさるものである。

 山賊の頭が指示を出し、次第に少年に対し有効と思われる攻撃を出すようになってきた。


 剣が次第に胴体に、胸に当たり、金属音を周囲に響かせる。


――鎖帷子装備か? その上でここまで動けるのかこのガキは


 山賊たちの攻撃が当たるようになってもそのまま一方的に押される展開にはならず、動きは少し鈍ってきたものの、未だに山賊に対しての反撃の手は緩まない。


 そもそも大人数に掛かられ、未だにとらえられてタコ殴りなどになっていない時点でもう、少年の戦闘センスが高い事を認識させられる。


 だが、人数差はどうしても覆すのが難しい。


「ぐはっ!」


 山賊のうち1人の大振りが少年の腹部にマトモに入ったようだ。

 少年が吹き飛んだのを見てその好機を見逃すような山賊の頭ではなかった。


「行け! 魔法攻撃! 中級爆発!」


 先ほどから部下が放った剣劇が金属音と共に弾かれたような音がしたことから頭は少年が鎖帷子を装備していると予想した。


 鉄を着込んでいるのなら、熱を与える攻撃が効果的だという判断だ。


 山賊団に所属する7人の魔法使いが一斉に魔法を用意し、そのまま発動する。


 少年は吹き飛ばされ何とか立ち上がったばかりのところに大量の爆発魔法を食らい、再度吹き飛んでしまう。


 少年は肩で息をしていてすぐに立ち上がる気配はない。だが、そのような状態であっても膝立ちで待機しており、隙は見えない。


 一方の山賊達は苦戦の末に敵に膝を着かせており、既に勝ったつもりでいるようだ。


「あ、お頭! コイツ、さっき捕まえた中の娘の兄弟ですよ! 見せてもらった手配書にもありましたぜ、候補、と」


「ほう……確かに。それなら、娘が『脱走に成功したと希望を持った瞬間』を狙って、見せしめで殺すか」


「ヘヘッ! お頭も人が悪い」


「まあ、雇い主の意向でね。一縷の希望を大きな絶望でへし折った方が、悪魔召喚が容易かつ強固になされるんだってよ」


「お前たちは……悪魔に魂でも売ったと言うのか⁉」


 膝を着いたままであったが、非常に凛とした声で少年が話しかけてきた。


「冥土の土産に教えてやるよ。俺らの雇い主のご意向ってやつは、このゼファー王国で悪魔を召喚させ、この国を混沌に陥れることだ!! 貴様ごときでは止められまい!!」


 手こずった相手が悔しがる、無力感に打ちひしがれるのを期待して言ってみたが、少年から帰ってきた反応は山賊の頭が期待していたのとはちょっと違う感じであった。


「そうか、つまり、お前たちを人間と思って手加減する必要もなかったのか」


 そう言い放つと、少年はスッと立ち上がった。足取りはしっかりしてて、まるでダメージなど元から受けてないかのように。


「し、しまった! 野郎ども、かかれ!」


 流石にここまで回復が早いことは想定していなかった。

 さらに、追い打ちとばかりに魔法で吹き飛ばしたのも裏目に出た。

 そのため盗賊たちとの間合いは十分、相手が何を仕掛けてくるかも読めない。


 だが、さらに山賊が困惑するような行動を少年は取ったのだ。

 右手を左上に、左手はおなかの前にグーに構えた。

 そのまま右手を山賊側から見て反時計回りにゆっくりと回し始めた。

 妙な行動を取る少年に警戒心を強め、山賊達も遠巻きに眺めるのみ。

 少年は手を少年の右上あたりまで回してから、短く叫んだ。


――変身!!


 次の瞬間、まばゆい光が辺りを包み、数瞬で光が止んだかと思ったら、少年が立っていたところには謎の人物が立っていた。


 いや、少年が着替えただけかもしれないが、それにしても妙な光景であった。


 顔はオオカミを基調としたと思われる意匠の顔まで隠す全面兜、体は全身黒のピッチリスーツといったいでたちに、ところどころ守りのためか金属が体を守っている。


 そして、兜の狼意匠と体の金属意匠は見たこともない青白い金属でできているようだった。


――ミスリルとアダマンタイトの合金か? 本当にそうなら厄介だ。


「か、かかれかかれ!!」


 我に返った頭の号令に即座に反応できた3人の山賊が一斉に切りかかる、だが


「遅い!!」


 謎の男が回し蹴りを1回放ったかとおもえば、今にも切りかかろうとしてた3人を遥か後方まで吹き飛ばし、後方で魔法を用意していた魔術師まで巻き込んで吹き飛んでいった。


「な……バカな!!」


 先ほどまでの少年も強かったが、この黒と銀色の狼は規格外だ。こんなヤツがいるとは聞いてない。


「貴様、い、一体何者だ⁉」


 山賊の頭が明らかにうろたえた様子で目の前の黒と銀色の男に問いかける。

 その男は格闘のかまえを取り、こう言い放った。


「俺は幻狼騎士(フェンリルナイト)! 我が魂に刻まれし正義、しかとその目に焼き付けろ!」

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