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誤字脱爺
誤字脱爺は、作家を誤字に導く妖怪である。
昔からいる妖怪で、魏志倭人伝にある「邪馬台国」の「台」の字が、写本する際にこの妖怪に邪魔され、「臺」=「台」だったのか、「壹」=「一」だったかのか未だに論争が別れている。
それほど厄介な妖怪だ。
現在デジタルになったので、キーボードによる手打ちだが、昔は「写植機」という文字が反転されたガラス板を打ち込んで印画紙に入力するという作業をしていたのだが、その際に「完璧」の「璧」の字を「壁」と打ち間違えることが多かった。
職人にもある程度の知識が必要な時代であったのだ。
現在は「強力」を「協力」と打ち間違えたり、「復讐」を「復習」と間違えたりする。
いや、間違えるんじゃなくて、この妖怪のせいなのよ。
だよね?
この原案は 弧滓 歩之雄さまより頂戴し、石河 翠さまの改案を組み入れました!
※言わば桶狭間の毛利新介と服部小平太みたいな感じですね。
ちなみに、「誤」の字が違うのはわざとです。