赤母神
赤母神はなろう界における福の神的存在だ。
各作家たちのホーム画面に「赤文字」をプレゼントしてくれる。
いわゆる「レビューが書かれました」「感想が書かれました」と言うものだ。
読み手より反応があるのはとても嬉しい。
読み手に赤文字を書かせる気持ちにさせてくれるのは赤母神のおかげなのだ。
……妖怪ちゃうやん。神やん?
と言うのは野暮というもの。
実は赤母神は、最初は「赤母」と言うユーザーで、自分の作品だけに燃えるさながら夜叉のような作家であった。
たくさんの評価ポイントを得、感想やレビューの数は千を超した。
しかし、自分自身から感想やレビューを書くことはしない偏った作家だったのだ。
それをお釈迦様は極楽浄土より見て憐れに思い、赤母が心の拠り所にしていたレビューを隠してしまった。
それに嘆き悲しんでいると、お釈迦様があらわれ
「これ赤母。たった一つのレビューを隠されて嘆くでない。それほど作家にとってレビューや感想は大事なもの。これからは心を入れ替えて自らレビューや感想を書くがいい。しかしどうしても感想も入れにくい作品に出会った場合はこのザクロを食しなさい。いや、ザクロに特に意味はないんだけどね」
と、おっしゃいました。
それからというもの、赤母は自らレビューや感想を書き、やがて神となったのです。
という鬼子母神みたいなエピソードがあったらいいのにね。