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訃報
誰だろ 携帯を見ると女将さんからだった
珍しい…17,8年前に番号教えて合って 掛ける事も 掛かって来る事もなかった
もしもし 今朝女将さんの夢を…
と言おうとしたら 見知らぬ声からだった
どうやら娘さんらしく山内と名乗り 申し訳なさそうな声だった
(あの…上城さんの携帯でしょか?)
(ハイそうですが)
(福岡で小料理屋をしてた者の娘ですその節は母がお世話になりまた)
(女将さんどうかされましたか?)
(実は昨晩息を引き取りまして うわごとのように上城さんの事を 生前は良く聞かされてまして 朝早いとは思ったのですが すみません…)
(あ…そうですか)
その後言葉は出てこなかった 事情を話身動き出来ない事を伝えた
鹿児島に行ってるって事は女将さんから聞いていたので 失礼ではあったけどお花と香典を手配した
落ち着いたら鹿児島まで家族で出掛けよう




