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駅までの道
100メートル程の距離で
私…戻れるかな?
心細い声で言った
正直まだ言ってるのか?この娘はと思ったが
大丈夫だよ きっと戻れるるさと明るく言った
駅に到着し切符を買って女の子に渡した
ありがとう あ!おじさんの携帯番号教えて
おじさんはないだろ(笑)まだ20代 後半だけど あ!携帯は持ってないよ
そうだよね あ!あの居酒屋?お店の電話番号 おじ…お兄さん知ってる?
私は知ってたが敢えて知らないと言った その方が良いような感じがした
新幹線の上り口に向かってると 女の子は途中で足を止めた
私…ここで具合い悪くなったんだよね
そう言って階段へと向かって行った
ほんの一瞬だった
女の子は消えた…回りは誰も気づいてなかったかのように人の流れは続いた。




