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私(ストーカー)の恋  作者: Tokimine
メインストーリー
5/19

文化祭の朝

ストーカーとは。

特定の個人に異常なほど関心を持って付け回す人の事を言うらしい。

具体的には、一方的な恋愛感情その他の特別な関心を抱き、加えて相手も自分に関心を持っていると思い込み、しつこく他人を付け回して様々な被害を与える人の事、だそうだ。

私も自称ストーカーとして意味を調べておきたくて、こうして調べてみたのだけれど・・・

私、被害加えていますかね?

この被害と言うのは、住居侵入や暴行、殺人の事を指しているらしいが、私はそう言った事はしていない。

あえて言うなら探偵ごっこだろうか(ごっこじゃないけど)。

つまり、私がしている事を被害と言うのであれば、それはつまり探偵の仕事も容疑に当たるという事だ。


ストーカーとは個人を付け回し、その上様々な被害を与える人の事である。

個人情報の詮索は、探偵などが行っているが捕まったりしていないので何の問題もない。

だから私はストーカーではない。


どうだろう、この突っ込みようのない、つつくような隅さえない完ぺきな三段論法は!

しかしこの三段論法によって重要なものが失われた。

端的に言うと、わたしストーカーじゃなかったの?

いや、待て待て。

特定の個人に異常なほど関心を持って付け回す人の事をストーカーと言うのならば、私はそれに該当するはずだ。

それに第一、この三段論法には穴しかない。

・・・良かった、危うく私のアイデンティティーが失われるところだった。

私からストーカーを取り除いて、一体何が残るというのだろう。

少なくとも没個性は確定だ。

3話と少し(約7918文字)が既に読まれている中、未だに登場してから207文字しか話していない彼のようにはなりたくない。

と、まぁそんなところでここからは一気に飛んで9月、文化祭当日1日目からのお話。



私は今、とある想いを抱えている。

しかし、その正体は分からない。

友達は、これを恋だと言った。

私は否定した。

でも最近、それは完全に分からなくなってしまった。

この想いが恋なのか否か。

この心が愛なのか興味なのか。

もう分らない。

1ヶ月ほど前からは、彼と私の恋人疑惑さえ浮上していた(それは結局すぐに消えたのだが、私の片思いと言う噂は消えなかった)。

「橘のこと好きなの?」と聞かれても、今の私には分からないのだけれど。

それでもきっと、その答えはこの2日間で判明する。

私にはそう思えた。

別に根拠があるわけじゃないけれど、そう感じた。

私はこの文化祭で、この曖昧な気持ちに方を付ける。

そう決心した。


さて、そろそろ家を出ないと。

現在時刻7時47分、待ち合わせの時間までもうすぐ。

いつもは私が待たせているし、たまには私のほうが先に着いて待っていないとね。

さて、行くか。


いってきます


そう言って私は、不安と胸の高鳴りとその他色々を持って家を出た。


・・・緊張して朝食をまともに食べられなかったので、お腹が鳴っている。


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