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私(ストーカー)の恋  作者: Tokimine
メインストーリー
4/19

作戦決行

あれ?“END”って書いてなかった?

確認に行ってきて良いですか?

あ、駄目ですか、そうですか。


「・・・・・・だれ?」

「えっ?!それは酷くない?小学校一緒だったでしょう?」


と、こんな感じになってしまった。


うそ、覚えてないっていうよりもむしろ知らなかったって感じの反応なんですけど?!

折角リドルストーリー風に締めようとしたのにそんな答えじゃ締まらないじゃない!

リドルに成って無いじゃない!

リドルってないじゃない!


「ああ、そういえばお前、入学式の時に舞台に立っていたな」

「ええ、それは確かに私だけど・・・」

「あれ、でもじゃんけんの時に勝ったのって江坂じゃなかったか?」

「それを言うなら江坂じゃなくて高坂さんでしょう、ってそんな事どうでもいい!」


メアド交換してって言ったでしょ!

忘れてるの?

聞いてなかったの?

無視してるの?!


「で、名前は?」

「え?あ、そうね、旭日、旭日美沙よ。この前部活で自己紹介したじゃない」


と言っても、もう1ヶ月近く前の出来事だけど。

勿論私は彼の名前を知っている。

身長、体格、性格etc.

勿論そんな事、口には出さないけどね。


「そうなのか、俺は寝ていたから知らない」


寝てたの!?

初回から寝るやつ・・・


「それにしてはあの時の自己紹介はちゃんとできていたと思うけど」

「あれは後ろの席にいた田代の腹話術だ」

「あいつ腹話術なんてできたの?」


じゃあ何で写真部なんかに入ったのよ。

という事は寝ながら起立したのか・・・

器用だな。


「で、何で写真部?」

「腹話術部がなかったから、と言っていた」

「そりゃ無いわよ、こんな公立中学にそんな部活」

「少なくともネットを見た限りでは日本にそんな部活は無いと田代も言っていた」

「へー、一応は調べたってわけね、っじゃなくて!!!」


やろうよ!メアド交換!!せっかく勇気出したのに!!!

何故話を逸らすのよ!


「なんだよ、何か俺に用事か?」


良かった、やっと本題に戻れる。

さて、閑話休題。


「ええっとね、その・・・」

「早くしてくれ、俺は早く帰りたいんだ、塾に遅れてしまう」


分かってるってば!

ちょっと待ってよ!

というか講習が始まるまであと1時間以上あるじゃない!

知ってるんだからね!!

っじゃなくて。


「えっと、私とメアド交換してください!」


ど、どうだ・・・・・・・・・・・・


「断る」


え?

えぇ?!


「な、なんで?!」


男子って普通こうゆう事って即OKじゃないの?!

即拒否されたよ?!


「親しくもない奴に、俺は自分の個人情報を渡すつもりは、無い」



ということで、帰り道です。

お腹がなくから帰ります(最近ダイエットしてます)。

一緒にお家へ帰る人はいません。

友達みんな帰っちゃいました。

心は迷っていますが目印になるような笑顔はありません。

とまぁ、そんなわけで。

一旦、周辺の住民には耳を塞いでいただけると幸いです。

いきますよ。

騒音まで、3,2,1、


「拒否された!渡すつもりは無いって言われた!“無い”を強調して言われた!」


・・・はい、もういいですよ。

手を耳から離していただいて結構です。

大きな声を出してしまってすいません。

家の中で落ち込んで、もとい、叫んでいるので、うるさいと思ったのは、私が迷惑をかけたのは、今家にいる私の母くらいでしょう。


「何言ってるのミサ、私もいるんだけど」


そうだった、あーちゃんに慰めてもらっていたんだった。

彼女とは、実はマンションが一緒だったりする。


「急に黙り込んだかと思ったらいきなり叫ぶんだもの、鼓膜が破れるよ」

「ごめん、あーちゃん」

「その感じだと、ようやく落ち着いてきたみたいね、さっきまでのミサ、言葉使いが妙に丁寧だったからショックで二重人格にでもなったのかと・・・」


そんな訳無いじゃん。

二重人格って、私の友達はそんなことを思っていたのか・・・


「で、これからどうするの?またアタックする?」

「とりあえず、文化祭まで待つよ」


文化祭が近くなれば、部活単位での準備がある。

そこで仲良くなれれば・・・


「じゃあ10月まで待機ってこと?」

「まあね、でも、来週辺りから話しかけていこうとは思ってる」


さすがに4ヶ月も話さないっていうのも違うと思うし。


「分かった、私もできる限りサポートしていくよ」

「ありがと、あーちゃん」

「うん。友達のためだしね」


本当にありがとう、あーちゃん。

最高の友達だよ。


「ところで、ミサってさ」

「なに?」

「橘のこと、好きなの?」

「全く」


好きでも何でもない。

何故そんな事を聞いてくるのか理解に苦しむくらいに。


「え?」

「え?」


あーちゃん、私の順番だった。


「え、好きじゃなかったの?ゾッコンだったんでしょ?」

「うん、でも別に好きなんて思ってないよ」


あーちゃんって、私が橘君のことを好きだと思ってたんだ。

明らかに違うと思うんだけどなぁ。


「いやいや、いやいやいや、誰が見てもミサは“橘のことが好きだ”と思うよ、ぜったい」

「またまた、そんな冗談言わないでよ」

「・・・・・・・・・じゃあ、聞くけど」


今の長めの溜めは一体何?


「何で彼のメールアドレスが欲しいの?」


そんなの決まってるよ。

前にも言ったけど。

ゲーム感覚で。


「彼を知りたいからに決まってるじゃん」

「・・・・・・」


え?なに、そのいかにも不満そうな顔。

私、何か変なこと言った?


「・・・・・・・・・じゃ、じゃあ、何でそこまでして彼の事を知りたいの?」


だからその長い溜めは何?


「習慣だからよ、この前も話したじゃない」


だから何でそんなおかしな人を見る目で私を見るのよ。


「その習慣って奴、いい加減やめたら?」

「なんで?」

「変態兼犯罪行為だからよ!」


怖いってば、あーちゃん。

そんなに怒らなくてもいいじゃん。


「・・・もういいわ、そのうち飽きるだろうし」


飽きないもん!生涯の習慣にするんだもん!


「小学生みたいなごね方してるんじゃないわよ、あと、生涯の習慣だけにはしないで、友達の一生のお願いだから」


何か、さっきからあーちゃんの言い方がひどい気がするんだけど。


「ミサが心配だからよ」


あーちゃん・・・やっぱり最高の友だ・・


「ミサの将来が」


やっぱりひどいよ!あーちゃん!!


「じゃあ、私そろそろ帰るから」

「え、あ、うん。分かった。玄関まで送るよ」

「いいわよ、同じマンションだし、恋人じゃあるまいし」


気付けばもう夜だった。

あーちゃんが帰った後、ずっとあの言葉が気になっていた。


“橘のこと、好きなの?”


「そんなの、好きな訳ないじゃん」


最初から、彼の事なんて飽くまで観察の対象でしかなかったし。

れ、恋愛対象としてみたことなんて、一度もないし、そ、それに彼の魅力なんて知らないし。

もう!

あーちゃんが変なこと言うからそればっかり気にしちゃうじゃない。


考えるのをやめた。

思考を放棄した。

無理やり寝ようとしてベッドに入って目を強く瞑った。

考えたって、今は未だ分からない。

彼の魅力を知らないのは、いつの間にか、意図的に知ろうとしていなかったからかもしれない。

いや、考えすぎだ、きっと。

それにしてもさっき鏡を見た時の私の顔は少し赤かった。

今も、いつもより体が熱い気がする。

風邪でも引いたのだろうか、それとも・・・。

いや、これこそ考えすぎだ。

もういい加減寝よう。


おやすみなさい

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