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私(ストーカー)の恋  作者: Tokimine
メインストーリー
3/19

彼との接触

それは飽きなのか、もしくは諦めなのかは分からない。

しかし、その鬱憤はいつの間にか消えていた。

自然消滅と言えば分かり易いだろうか。

兎に角、鬱憤解消。

すっきりした。

もう彼に八つ当たりする気も無くなった。

しかし、問題点が一つ。

習慣となったストーキングが、止められなかった。

完全に生活習慣に定着してしまっていた。

癖になっていた。

習慣、兼、悪癖、兼、趣味、だった(自分で悪癖とか言っちゃったよ)。

何せ5年生の時には、クラスが別れたにも関わらず彼をほぼ毎日見続けていたりもしたのだ。

学校でも、登下校でも。

あ、授業はちゃんと出席してたよ?

彼の事を調べている時、たまに

「私は彼の事を誰よりも知っている!」

とさえ思うこともあった。


そして・・・

誕生日

出席番号

幼稚園

食べ物の好き不好き

特技

趣味

スイミングスクール

成績

身長

体重

座高

視力

得意教科、苦手教科

家族構成

好きな人(は、いなかった)

これだけ彼の事を知ったことで、私の中にコンプリート精神が芽生えてしまった(ゲームによくある“このキャラのカードが全て欲しい”というあれだ)。

そんなわけで、そこから小学生を卒業するまで私は彼に、ゾッコンだった。

中学に入ってからも結局そんな感じだった気もする。



そして。

時は過ぎ、私ことピカピカの中学一年生の旭日美沙は、入学式当日、舞台の上に立っていた。

新入生代表の言葉を述べるというやつだ(じゃんけんで決めたので別に成績優秀という訳ではない)。

どんな内容だったかはもう覚えていないが、彼が私をずっと見ていたのは記憶に残っている。

私はその時、ストーカーがばれているのではないかと思ったりした。


まぁ、もっと前からバレていたらしいんだけどね・・・



少し時が過ぎて。

2日後、4月8日。

とうとうやってきた1回目の部活動(因みに写真部)。


「彼がこの部活を選んでいることは昨日の時点で調べが付いている。つまり、実はまたしてもクラスが別れてしまった彼との間に、正式な接点ができるという事。さぁ、彼のプロフィール、絶対にコンプリートしてやるんだから!!」


みたいなテンションだった私は、自己紹介で危うく元気いっぱい自分の秘密(習慣)を暴露してしまうところだった。

あーちゃんが止めてくれなかったらヤバかった。

そんなこんなありつつ、結局、部活初日は自己紹介と主な活動内容を聞かされるだけに終わった。


そしてとうとう、彼と話すことはできなかった。


二日後、チャンス到来。

つまり、部活の日。

レッツ、リトライ!

っと思ったが、彼、まさかの早退。

午後からの授業は受けていなかった。


で、土日を挟んで月曜日。

4月13日。

私、まさかのおたふく風邪。

正式には“流行性耳下腺炎”と言うらしいが、別にどうでも良い。

これのせいで、私は1週間学校を休む羽目になった。

顔痛い・・・


完治、回復して久々の学校。

本日4月20日。

やる気が出ず、リトライ中止。


水曜日、4月22日。

生理痛の妨害により断念。

マジ痛い。

釘が刺さるように痛い。

男子共には分からないこの痛みは成長の証。

・・・私は何を言っているんだ。


金曜日、4月24日

職員会議で部活お休み。


土日を挟んで月曜日。

本日4月27日。

大雨による交通機関の麻痺によって先生方登校できず、休校。


時は少し過ぎ、5月4日

月曜日。

埒が明かない。

そう思った私は思い切って、メールアドレスの交換を持ち掛けてみることにした。

最近、絶妙なタイミングで邪魔が入ってばかりだった事も踏まえ、いける時にいってやろう、という訳だ。

1ヶ月もの間待たされて、正直少し苛ついてきている。

良い転換期だと直感していた。

身も蓋も無く言ってしまえば“何となく”だ。


ということで、今から話しかけてみようと思う。

これからが一大イベント。

ここからが青春。

さあ、覚悟は決まった。

決心はついた。

意は決した。

私の言葉に、彼は一体どんな反応をするだろう。

嬉しい?

悲しい?

いや、女子に対して悲しいとか失礼じゃん。

まぁでも、何と言われようと後悔はしないつもりだ。

だって、それはきっと彼の望むことだから。

希望だから。

そんなことを考えながら、私は彼に近づいた。

ストーカーが相手の希望を呑むとは思えないけれど。

なんて。


そして話しかける。


「ねえ橘君、メールアドレス、交換しない?」


さて、どうなったと思う?



END


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