プロローグ
恋って何だろう。
私は思った。
愛って何だろう。
私は想った。
好きって何ですか。
私は問う。
誰かを好きになれますか。
私は訪う。
恋を思考し。
愛を想像し。
好意について質問し。
恋人について探求する。
恋愛とはどんなモノだろう。
思考し、想像する。
嬉しい。悲しい。
楽しい。苦しい。
面白い。つまらない。
微笑ましい。醜い。
眩しい。鬱陶しい。
幸せ。辛い。
哀れ。憐れ。
私はどんな人を好きになったっけ。
カッコいい訳じゃない。
賢い訳じゃない。
背が高い訳じゃない。
突出したところが特にある訳でもない。
普通の同級生。
普通の男子。
普通の人間。
ごくごく一般的な。
平凡にして平凡。
THE平凡。
でも、私は彼を好きになった。
不愛想な目を。
普通の顔を。
傷んだ髪の毛を。
平均的な体格を。
鈍感な所を。
目にこもった意志を。
可愛い笑顔を。
少し整えられた髪を。
広めの肩幅を。
偶に見せる優しさを。
私は、好きになった。
今までは、イケメンだとか、高身長とか、イケヴォとか、優しいとか、そんな事ばかり言っていたのに。
蓋を開けてみれば、理想とは遠く離れていて。
それでも、彼の事を何よりも。
愛おしいと思える。
私は彼の事が好きだった。
愛していた。
愛おしかった。
ファーストキスを夢見たりして、結婚の事まで考えて、子供は何人欲しいだとか、彼の隣にずっといたいだとか。
結局、全て叶わなかった訳だけど。
でも。
これがきっと正解。
お互いの為を思えば、これが最善策。
彼には分かってもらえないだろうけれど、これがきっと最良策。
いつかはきっと分かってくれると信じて。
私は彼と別れた。
だけど、やっぱり名残惜しいから。
もったいないと、つい、思ってしまうから。
忘れないうちに。
まだ記憶があるうちに。
語ろう。
私の恋を。
ストーカーの恋を。