プロローグ
【青春部】略して【アオハル部】
俺の通う高校には【アオハル部】なる部活が存在する。
その活動内容は単純明解。
高校生活を楽しく!
青春を謳歌せよ!
…らしい。
友情、恋愛、勉強、スポーツ…なんでも有りで、そこに青春があればOK!
って事で毎年その部活に入部したいと声を上げる生徒が後を絶たないらしのだが、その部活、なんと面接がありその面接で合格しないと部員にはなれないらしい…
面接をするのは部長で合否を決めるのも、もちろん部長。
つまり部長の独断で部員になれるかなれないかが決まるのだ。
だから【アオハル部】にどうしても入部したい生徒達は、部長のご機嫌とりをして点数を稼ぎ、面接を突破しようと必死である。
俺には全くもって理解が出来ない。
【アオハル部】になんて全く興味が無いし、むしろどの部活にも入部したくはない。
だけど運悪く、俺の通う高校は全生徒必ず何かしらの部活に入らなければいけないらしい…
誤算だった。
俺はただ静かに、目立たず、何事も起こらない様な高校生活を送りたいだけなのだ。
影を薄く、存在感を消し、出来れば誰の記憶にも残らない。
そんな生徒になりたかった。
…だが、そんな俺の小さな望みは入学早々に儚く散る事になる。