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第49話 大戦勃発

コンコード国王からも、同盟に応じる旨の親書を風の国に送った。


と同時に、鉄の国へ事情を説明し、帝国への総攻撃に移る旨の親書を送った。


数日後、風の国からは同盟成立の御礼の親書届く。


その数日後、鉄の国から同国も総攻撃に移る旨の親書が、王国に届いた。



これにより、国王はすぐさま各地の軍を動かした。


王太子領と第1王女領から、砦にそれぞれ3千兵を残し、合計1万4千兵を第2公領へ進軍させる。


同時に、王都守備隊の1万と王弟領の3千、会わせて1万3千の兵を第1公領へ進軍させた。



王国の動きに対し、第2公は帝都へ援軍を求めた。


が、皇帝は帝都の守備を固め、援軍を見送る。


結果、王国の1万4千兵に対して、第2公は1万兵で迎え撃つことになった。


侵攻する王国軍の方が多いため、篭城を決める第2公。



一方、第1公は、第3公に援軍を求め、これに応じた第3公が全軍1万兵を第1公領へ向かわせる。


こうして、第1公領での戦いは、同じ兵力同士がぶつかることになった。



皇帝が帝都の防衛を固めた理由は、同時に侵攻してきた鉄の国の脅威もあったためである。


第4公の1万兵に対して、鉄の国からは1万7千の兵が襲った。


第5公の1万兵に対しても、同様に1万7千の兵が進軍していた。



挿絵(By みてみん)



ハルファスは、王太子軍の一員として、第2公領へ進軍していた。


この戦、数に勝る王国軍の勝利は確信していた。


が、篭城を決めた第2公の動きに対して、手を打つ必要があると感じていた。


それは、第1公領での戦いが激戦になると予想されるからであった。


第2公領を最速で突破できれば、他の手が打てる。


帝都へは向かわず、一旦、第1公領へ進軍する。


そして、一気に挟み撃ちにすることで、第1公領での激戦を緩和したいと考えていたのだ。



第2公領への進軍には、王太子アルビンと将軍ルンデールが帯同していた。


第2公が篭城している砦の前方に展開した1万4千兵の王国軍。


その陣内で、軍議が開かれていた。



「久しいの、ハルファス。相変わらず、変わった功績を残しているそうじゃの」



闊達に笑うルンデールに対し、アルビンも同調する。



「全くです。ハルファスが仕出かすことに、いちいち驚かされてばかりですよ」



ハルファスは苦笑をもって、これに応じる。



「さて、ハルファス。この展開、おまえならどう動く?」



端的にルンデールが問う。


ハルファスが軍議で発言することは、異端である。


しかし、王太子領の将校もザイードの将校たちも、最早異議を挟まなくなっていた。



「そうですね。鉄の国もほぼ全軍を挙げて帝国に攻め入っております。


数に勝る鉄の国の軍勢が、順当に帝国北部の第4公、第5公の陣営を破るでしょう。


鉄の国の軍勢が、帝都へ進軍していくのは、時間の問題でしょう。


そのため、帝都は首都防衛のために、他の戦線へ援軍を出せない状態となっていると考えられます。


我々が対峙している第2公にも援軍は来ないでしょう。そのための篭城だと考えております。


時間をかければ、最小限の損害で第2公領を突破できることは間違いありません」


「そうか、ならばじっくりと第2公をしとめれば良いのだな」



ハルファスの分析にアルビンが応える。



「おそれながら。


我々の軍勢のみを考えれば、それが最善の策だとは思います。


ですが、第1公領での戦線が気になります。


王都守備隊が援軍に向かったとはいえ、あちらも第3公からの援軍が到着した模様です。


同数での正面からの戦は、激戦になることが予想されます。


そこで、我々が第2公領を最速で突破しつつ、一旦、第1公領へ進軍してはどうかと。


第2公を一気に挟み撃ちにすることを提案致します。


その後、体制を整えて、帝都へは進軍すれば良いかと」



ルンデールがうなる。



「確かに全体的な戦力を考えれば、おまえの言うとおりじゃろう。


しかし、第2公はそれも考えて篭城に入っているのではないかのう」



アルビンも発言する。



「篭城に入った相手を突破するのは、やはり時間がかかる。


それに焦って攻め入れば、逆にこちらの損害が大きくなるのではないか?」



ハルファスが応える。



「お2人のおっしゃる通りです。


篭城に入った相手をすばやくしとめるのは至難の技だと思います。


しかし、仮に城壁が大きく崩れた場合、第2公は篭城を続けることができるでしょうか?」


「城壁がなくては、篭城などできようもないだろう」



アルビンがそう応えると、ルンデールが悪戯っぽい笑みを浮かべながら問う。



「ハルファス、さてはまたなにか考えておるな?」


「はい。少し、試してみたいことがございます。


もし、それが成功すれば、一気に攻め込むことができると思っております」


「このような戦場でも、おまえは突飛なことをするつもりなのだな」



アルビンが苦笑する。



「なんの、我らザイードの兵は、ハルファスの摩訶不思議な計略には、もう慣れておりますぞ」



そう言って、ルンデールとザイードの将校たちは、大笑いするのであった。


アルビンの呆れ顔を見て、ハルファスは、苦虫を潰したような顔をするしかなかった。

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