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第15話 捕虜奪還

ルンデールの一言をもって、軍議が具体的に始まる。


まずは、軍議と平行して、諜報士に補給部隊を探らせる指示を出そうという案が出た。


その検討を始めようとした時、諜報士より報告していなかった事案について発言があった。


諜報士より、補給部隊の中に捕虜が含まれていることを既に確認していたことが伝えられる。


これにより、捕虜奪還作戦の決行が確定した。


諜報士の報告によると、補給部隊は100人ほどの編成であるとのことであった。


自国内を移動しているため、危険をそれほど感じず少数編成にしているのであろうという見解となった。


次に、急襲部隊の編成について話が及ぶ。


王国が介入した痕跡を残さないため、少数で作戦を行うことが決定される。


決定されたその場で、サブノックが自らの隊の出陣を願い出た。


これが、ルンデールに承認される。


軍議の途中であったが、サブノックはそのまま退室し、すぐさま急襲の準備をする。


諜報士たちから次の補給部隊の動きを確認すると、即座に出陣する。



これ以上、5千人長たちの心象を害するのは得策ではない。


そう考えたハルファスは、これに同行せず、砦で待機することにした。


しかし、出発する前に戦地での陣取りや作戦など、サブノックとの打ち合わせは綿密に行った。



挿絵(By みてみん)



サブノック隊が陣を張って2日目。


情報どおり帝都へ戻る帝国の補給部隊が姿を現した。


平野を移動する補給部隊に対して、小高い丘にサブノック隊の本隊は陣を敷いていた。


そのため、まだ帝国軍には存在を気づかれていない。


補給部隊が通り過ぎる中、タイミングを見計らうサブノック。


ジリジリとした時間が過ぎる。


やがて、補給部隊の中央部分が本隊の前を通過し始める。


そこへサブノックの突撃の合図が上がる。


気合の声を上げながら、サブノック隊の本隊が補給部隊の横っ腹に突撃する。


予期せぬ襲撃に補給部隊は混乱するが、やがて警備の帝国騎士たちがサブノック隊と乱戦になる。



最初の奇襲で十分に兵力を削いであるため、乱戦となってもサブノック隊が優勢であった。


魔剣を振るうサブノックの周りには、真っ二つにされた帝国兵が山のように重なっていった。


さらに、近くの森に陣を張っていたサブノック隊の友軍が後ろから攻撃を仕掛ける。


乱戦を予想し、挟撃に備えていた友軍は、帝国兵を1人も逃さぬよう展開する。



挿絵(By みてみん)



本隊による奇襲に次ぐ友軍の挟撃により、壊滅状態となった補給部隊。


サブノックは、そのまま王国介入の痕跡を残さぬよう1人も逃さず殲滅する。



生き残った帝国兵がいないことを確認したサブノックは、捕虜たちのもとへ向かう。


捕虜たちは、牢のように荷台を改造された馬車に乗せられていた。


牢の中を確認すると、ドワーフの兵士たちが10名いた。


ドワーフの兵士ということは、鉄の国の兵士で間違いないとサブノックは判断する。


一刻も早く現場から去るため、捕虜たちの馬車をそのまま移動させ、ザイード砦へと帰還した。



ザイード砦に帰還すると、サブノックはドワーフたちに、牢に入れたまま移動したことをまず詫びた。


ついで、ここが王国の砦であること、王国は鉄の国を支援する用意があることを丁寧に伝えた。


事の成り行きを伺っていたドワーフたちだったが、話を理解すると一様に安堵の表情を浮かべた。



すると、ドワーフの中から1名、砦を守る将軍にどうしても会わせてほしいと懇願する者が現れた。


サブノックは、このドワーフが王国への使者であることを確信した。


が、あえて理由は問わず、丁重にルンデールの執務室へと案内した。



『鉄の国より救援を求める文書が届けられた』



早馬で鉄の国からの正式な国交文書が王城に届けられた。


これに対し、さっそく救援に応じる旨をルンデールに返答する早馬が送られた。



こうして、王国と鉄の国との連合軍が成立した。


そして、これより帝国と連合軍との戦いが本格的に幕を開けるのであった。

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