お帰り
「おかえりー」
今日も、お父さんが帰ってきた。
「ただいまー」
そしていつもどおりの返し。
今日も変わりない挨拶をかわし、
「おかえりー」
今日も、お父さんが帰ってきた。
「たdaUw,0ntp」
そして今日は、いつもと違う返し。
いつもと違う挨拶をかわし、
世界は、ゾンビでたくさん溢れかえっている。
3日前突如現れたものに、お父さんとお母さんは噛まれ、そしてゾンビになった。
お母さんは、噛まれたときの傷が予想以上に深くて、ゾンビになる前に死んでしまった。
「お母さんにお線香あげてくる」
そう言い残し、さっさと2階に上がった。
「uo20.あさをむかあ"a#zf」
何か聞こえた気がしたが、放っといた。
2階に着き、ふすまの扉を開けた。
「!!」
そこには、何故かゾンビたちが居る。
くねくねと蠢く姿は、ものすごく気持ち悪い。
しかしよく見ると、それは死んだはずの母だった。
急いで、部屋から出、廊下を逃げる。
しかし、廊下の先を見ると、また何故か見知らぬゾンビがこっちにやって来る。
「っ誰か!お父さん!助けて!!」
叫んでも、誰も生きている人は来ない。
来るのはゾンビだけだ。
ついに追い詰められ、私は死を覚悟した。
■■□□□■■
ピーッと静かな病室に、音が響いた。
「!! 朝美!朝美!」
「お母さん、残念ながら娘さんがお亡くなりになられました」
「そんな!朝美ぃぃぃぃ……」
そんな悲痛な叫びが、医者の心を貫く。
「おいお前……。すみません、うちの家内が」
男が、医者らしき男に、頭を下げる。
「いえ…こちらこそ本当に申し訳ない」
「いや、貴方は最善を尽くしてくれた。ありがとうございます」
「朝美!朝美ぃ……」
後には、母の悲痛な言葉が病室に、残った。