結末
俺がこの世に生まれてきた時から、世界はウイルスが蔓延していた。
女が死に、年寄りが死に、そして生まれて間もない子供まで死んでいた。
毎日毎日、大勢死んでいった。
おそらく俺が生きているのは、奇跡と言っても過言ではないだろう。
話は変わり、それから少しした時、俺の16歳の誕生日が来た。
だが、俺の誕生日を祝ってくれる奴はいない。
両親は死んだ。
母は、俺を産んだ直後死んだ。
父は、母を亡くした苦しみで水に入って死んだ。
両親が死んで、俺は親戚の家に行くことになった。
俺は誰もが自分に同情をし、一緒に悲しんでくれると思っていた。
しかし、現実はそう上手くいかない。
俺は、行く先々の所でたらい回しにあい、人生に失望した。
そしてついに、全ての親戚の家から哀れみと、憎しみの目で見られ続けた俺は、精神を病んだ。
そんな時だった。
俺の前に、ある少女が現れた。
そいつは、凄く綺麗でそして優しかった。
当然、周りの奴らはそいつに媚びた。
だがそいつは、周りに見向きもせず、ただじっと俺の前に立っていた。
雨の日も、風の日も、雪の日も、ただただ俺の前に佇んでいた。
だが俺は誰もいないかのように、少女を無視した。
ある日のこと。
毎日のように俺の前にいた少女が、いなくなっていた。
最初は気にも留めなかったが、1日経ち、2日経ち、そして1週間経っても俺の前に現れなかった少女が、少し、気になった。
そいつを見つけようと、何故か死にものぐるいで探していた。
それからすぐにそいつを見つけた。
栄養不足で、川の辺りで倒れていた。
その川は、俺の父が自殺を図った場所だった。
どうやら少女は、俺にご飯を持ってこようとしたらしい。
俺は目から涙が溢れた。
そんな俺を見て、少女は薄く目を開け笑った。
そして、俺と少女は仲良くなった。
一緒に住むようになり、毎日同じご飯を食べ、一緒に眠った。
俺は自分の昔話をした。
少女は話を聞いて、泣き出した。
同情してくれた嬉しさで、俺まで泣いてしまった。
そんなある日のこと。
いつもどおり楽しく話していた俺達の前に、見知らぬ奴らが現れた。
そいつらは、俺達を知らない場所へ、連れて行った。
連れて行かれた先には、大きな部屋があった。
そこには、俺を貶した親戚たちの姿があった。
連れてこられた俺達を見て、泣いて助けを求めた。
話によると、もうすぐ奴らに殺されるらしい。
だが俺は何もしなかった。
無残に皮を切られ、肉を削がれる親戚たちを、黙ってみていた。
親戚全員を殺した奴らは、死体を持ちながら次はお前らの番だと言った。
もちろん、少女は震えた。
それと同時に、俺がいるから寂しくないとも言った。
そして、俺達は殺された。
一緒に手をつなぎ、微笑みながら。




