70,初詣と再確認
初詣に来た。
「もう十日だから、やっぱり人いないね」
「あばば」
「初詣って、人が多いから三が日中に来たことってあんまりないんだよなぁ。両親が生きてたときは来てたけど」
「あ、あばば」
「シグ、これがお賽銭。これをこの箱に入れて願い事をするんだよ」
「あば! ……あばば、あばーば」
「何をお願いしたの?」
「あばば、あばばば!」
「秘密なの? いいじゃないか、教えてくれても」
「あばばば! あーば、あばば!」
「ま、いいか。さて、僕は何をお願いしようかな……あ、そうだ。絆の高校合格を祈願しよう。あとでお守りとかも買おうかな……いや、いらないか。貰っても迷惑だろうし」
「あばばば?」
「お守りっていうのは、えーと、何て言うんだろうな……交通安全とか安産とか、厄除けのための物って感じかな。縁起物みたいな?」
「あばば。……あーば」
「シグ、どうかした?」
「あばば、ばあばば?」
「え? えーと……これが欲しいの?」
「あば!」
「健康祈願か。こっちの安い方でいい?」
「あばば!? あばばー……あば」
「そっか、ならこれで。すいませーん、これくださーい。……はい、どうぞ」
「あばば。あばば、あーば、ばあばば」
「ん? どうしたの?」
「あーば、ばあばば」
「さっきからお守りを僕に押し付けているけど、これはどういう意味?」
「ばあばば、あば!」
「えーと……もしかして、くれるの?」
「あば!」
「最近僕が風邪をひいたから、かな。へえ……シグは良い子だねえ」
「あばば? あーば、あば!」
シグが良い子だということを再確認した。




