6,掃除
宇宙人もといシグがやって来て二週間と少し。部屋の掃除をすることにした。
「うーん、これどうしようかな。ねえシグ、これ捨てていい?」
「あば?」
「君の乗ってきた乗り物。UFOって言うべきかな? 典型的な円盤のやつ」
「あばー……。ばー、あばば」
「ん? 頷くように体を縦に振ってるけど、捨てていいの?」
「あば!」
「じゃあ後で廃品回収のところに出しに行くね。重そうだなー、これ。……よし、だいたい片付いたかな」
「あばばー」
「UFOが突っ込んできた時に壊れた壁の破片はもう捨てたし、あとはブルーシートで壁の穴を隠せばいいか。うん、完璧。三週間くらい放置してたけど大丈夫だよね」
「……あーば!」
「ん? どうかしたの、シグ」
「あばば! あばば、あば!」
「え、なに発光してるの。待って、眩しいんだけど」
「あばばばばー!」
「…………おお? 壁が直ってる」
「あば、ばーばー!」
「もしかしてシグがやってくれたの?」
「あば!」
「へえ、凄いね。これが宇宙人パワーか。何でも直せるの?」
「あば、あばばば!」
「それじゃあ今度から物の修理はシグに頼むとするよ。報酬は美味しい食べ物で」
「あばば! ばばー!」
シグは便利な宇宙人パワーを持っている。