57,再び巻き込まれ
衝撃の事実、魔王はシグの同族だった。
「そういうこともあるんだね。世界は広いなあ」
「数えきれぬほどの世界があり、その世界一つ一つが広いからな。何があっても不思議ではないのだ」
「……で、シグを連れていくんだよね?」
「ああ、そのつもりだ」
「じゃあシグ、ばいばい」
「あ、あばばば! あばばば!」
「シグ、どうしたの? 仲間だよ? 恥ずかしがらなくても……」
「そうではなく、嫌がっているようだ。……こんなに懐くとはな」
「ほらシグ、向こうに……駄目か。どうしようかな……」
「あーば! あばばば!」
「……ふむ、仕方ない」
「え、何? 光ってるんだけど、まさかまた……」
「無理矢理にでも連れていくとしよう」
「ちょっと、待って。僕も巻き込まれて……っ」
「あばばばばー!」
「……うん。まあ、こうなるよね。あの距離でやられたら巻き込まれるよね」
「あばばばー!」
本日二回目の異世界、到着。
昼間とは場所が違う。昼間は豪華な装飾がたくさん施された華美な部屋だったが、ここは質素だ。むき出しの床、何の飾り気もない壁。だだっ広いそこには、丸い柱があるだけだ。
辺りを見回すと、シグとドランくんもいた。その側にはドランくんが乗っていたUFOもある。どうやら一緒に持ってきたようだ。
そして、目を引くものが眼前に一つ。
「……でっかいシグ?」
見慣れた銀色よりも格段に大きい。下手したら僕よりも大きいのではないだろうか。つぶらな二つの瞳が妙にシュールだ。
はてさて、不可抗力だけどまたもや異世界に来てしまったわけなんだけど、これからどうしようか。
まあ帰ろうと思えば宇宙人パワーで帰れるだろうからそこは心配していない。ただ、もし明日叔母の家に行けなかったらどうしようか。すっぽかすのは流石に駄目だろう。
夏休みの時のように、時間の流れがどうとかご都合主義な展開ではないかもしれない。から、出来れば早く帰りたい。
「あーば! あばばー!」
「……その前に、シグを落ち着けるのが先かな」
シグの問題が、早く終わればいいんだけど。




