49,似た者兄妹
駅前に立っている絆とシグを発見した。
「絆、シグ、どうかした?」
「あーば!」
「家に行ったらこの子がいて、一緒に迎えに来たのよ。着いて来たそうだったから」
「そうなんだ。シグ、ちゃんとお礼は言った?」
「あば、あばば!」
「どういたしまして」
「で、わざわざ迎えに来てくれたの? 何で?」
「……迎えに来たのはなんとなく。家に行ったのは、ちょっと、話があって」
「ふーん? まあいいや。とりあえずお迎えありがとう。じゃあ帰ろうか。それともせっかく来たから買い物でもしていく?」
「いいわ、帰る」
「あば」
「……あー、渡邊。俺のこと忘れてねえ?」
「……忘れるわけないじゃないか、相澤くん」
「……嘘っぽいわよ、それ」
「あば、あば」
「嘘吐くなら悟られないようにしなさいよ」
「あば……あば!?」
「やっぱり渡邊の妹なんだな……そういうところがそっくりだ」
「は? どこがですか?」
「え? どこが似てるの?」
「無自覚かよ。……まあいいわ。じゃ、また学校でな。妹ちゃんもさよなら」
「うん、じゃあね」
「さようなら。……今の、お兄ちゃんの友達?」
「うん。相澤誠。クラスメイト。剣道部」
「そう。お兄ちゃんに友達なんていたの。まあどうでもいいけど。早く帰りましょう、寒い」
「そうだね」
「あーば……。あばばー……」
「この子、どうして呆れたような声を出しているの?」
「さあ? たまにこうなるんだ。癖なのかな? あんまり気にしなくてもいいよ」
「……あばば、ばばー」
「今、婆って言った? 失礼な子ね」
「こら、シグ。女の子にそんなことを言ったら駄目だよ。言うなら男か、ドMな女の子……いや、これは絆やシグの教育上悪いか。とにかく、言ったら駄目だよ。分かった?」
「……あばー」
シグにまた溜め息を吐かれた。僕と絆はわけが分からず、二人揃って首を傾げた。




