48,かわいい
十二月の学校帰り。相澤くんと一緒に駅に向かう。ちなみに部活はサボり。
「もうすぐクリスマスだな」
「そうだね」
「クラスの奴らはデートだなんだと騒いでいるが……渡邊はどうだ? まさか、お前まであいつらの仲間とか言わないだろうな……」
「デート? まさか。相手なんかいないし、興味もないよ」
「そうか、だよな! お前はそういう奴だもんな!」
「相澤くんは彼女とか……いないか」
「おい、なんでそう思った?」
「え、いるの?」
「……いないよ。悪いか!?」
「良いんじゃないの、別に。僕だっていないし」
「……はぁ。彼女欲しい。かわいい彼女が欲しい」
「かわいい? それはちょっと無理あるんじゃないかな」
「お前、なんか酷くね!? いつにもまして辛辣じゃね!?」
「え、だってかわいい娘ならもう彼氏がいるに決まってるじゃん。まあ清楚で身持ちの固い娘とかなら別だけど、そんなのそうそういないだろうし」
「……夢見るくらい良いじゃねえか」
「あー、うん。そうだね?」
「はぁ……。……お? おい、あの娘かわいくね?」
「復活早いね。まあいいけど。どの娘?」
「あそこの、帽子被ってる娘。良いとこのお嬢様みたいな雰囲気の」
「……あの娘のこと?」
「そうそう! かわいくね? 結構タイプだわ」
「あの娘は駄目だよ」
「どうせ彼氏がいるから、ってか? そんなの分かんねえじゃん」
「だってあの娘、僕の妹だから」
「……は? 妹?」
「あ、よく見たらシグもいる。影になって見えにくいけど。絆が連れてきたのかな?」
「……え、まじで?」
妹はかわいい。




