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26,閑
あれから、メリアさんとは仕事があるとかで別れた。彼女の家に泊まることになったので、あとでそこに行く予定だ。
それまで何をするのかと言えば、特になにもしていない。
「異世界でも空は青色なんだな」
「あばー」
草原に寝転がって空を眺める。……ふーむ。
「……暇だ」
「あば」
「眠い」
「あばば」
「おやすみ」
「あば……あばば!?」
異世界に来たところで、そうそう人は変わらないわけで。つまるところいつも通りの行動をとっていた。
「……いや、別にいつも暇になったら寝ているとか、そういうわけではないよ?」
「あば?」
「なんでもないよ、シグ。ただの一人言だから気にしないで」
異世界に来たら冒険がテッパンなんだろうけど、三日しかいないのにやるわけがない。
もっともな理由をあげるなら、自衛の手段がないことかな。魔法なんて使えないし、シグの宇宙人パワーは帰るためにとっておかなくてはならない。
「なーんて、本当はそんなことをする気力がないだけなんだけど」
シグのひんやりとした触り心地を楽しみながら目を瞑る。
……ああ、本当に眠くなってきた。じゃあ寝よう。おやすみなさい。
異世界はのどかだ。




