23,死亡
前回のあらすじ。京都、広島へ旅行に行ったつもりが異世界旅行になった。
「グガァァアアアアアアア!」
「……っ、ちょっとこれは、かなりまずい状況なんじゃない……?」
「あばばー! あばばー!」
パニックを起こしたようにシグは泣きわめく。ちょっと静かにしててくれないかな。
「一つ目で角が生えてるから……鬼でいいや。鬼さん鬼さん、僕達は美味しくないから食べない方がいいよ」
意思の疎通がとれないかと話しかける、が。
「ガアアアア!!」
返ってきたのは空気が震えるほどの咆哮のみ。
「……言葉が通じてないみたいだね」
「あばばばー!」
「シグ、宇宙人パワーでどうにか出来ない?」
ここに来てしまったのは十中八九、宇宙人パワーのせいだろう。なら戻るのもできるはずだと思って問いかける。
「あ、あばばばば……。あばば、あばーばー……」
シグは困ったような泣きそうなような声をあげる。出来ないみたいだ。
「連続使用は出来ません、って感じかな。うーん困った、て、うわっ」
「グルルル……!」
唐突に引っ張られたかと思うと宙に浮いていた。胴体には圧迫感。どうやら鬼さんに持ち上げられているらしい。
「あーば!? あばば!」
「あー……これは……うん、死んだな」
「あばばば!? あばばばば!」
シグが心配そうに鳴く。鳴くというか泣くか。この場合。僕は極めて冷静に――冷血とも言われたことがある――今の状況を伝える。
「シグ、僕は今鬼さんの手に掴まれて宙に浮いています。これが示すことは? 正解は僕の死亡です」
「あーば! あーば!」
「ばいばい、シグ。君はがんばってね」
「ガァアアアア!」
「あーば! あばばばー!!」
僕は死んだ。
異世界編は書き方変えます。
ほぼ会話文→地の文あり。




