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14,五月病
五月中旬。絶賛五月病なう。
「あーあ、やる気出ないー。なーんにもしたくないー。生きてるのも面倒くさいー」
「あば!? あーば、あばばば! あばー!」
「冗談だよ……多分」
「あばばば! あばばー!」
「シグは元気だね。なんだか眩しい……光が反射してるからか」
「あばー!」
「もう、君は僕の保護者なの? はいはい、分かったよお母さん」
「……あばー」
「シグに溜め息つかれた。えー、なんか嫌だな、それ。やるべきことはやってるからいいじゃないか。最低限だけど」
「あば、ばあばば……」
「六月に……いや、梅雨になれば元通りだからさ、今だけ許してよ」
「あば?」
「みんなが梅雨で沈んでるときに元気になるんだよねえ、僕」
「……あーば。あばばば……あばー」
本日二回目の溜め息。最近シグの感情表現が豊かになってきた。