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第一話 ⑧

   10


 君塚と駅前で別れ、家路をたどる。

「あ、解……」

 家の前の壁にもたれて立っていたのは三谷だった。ばっちりと目が合う。もしかして、俺の帰りを待っていたのか?

「……三谷」

 お互いに名を呼び合う。微妙な気まずさが漂う。

「あのさ……」

 さきほどの君塚の笑顔を思い出す。大丈夫。

「もう気づいてると思うけど、俺、オタクなんだよ」

「……うん」

「三谷がそういうの嫌いなのも、知ってる」

「……うん」

「でも、好きなものはやっぱ好きだ。誰がなんと言おうと」

「そっか」

 三谷は静かに頷く。

「私もね、好きなものは好き。例えそれがどんなに理解できなくても」

 どこか意味深な言い方をする三谷。

「だから、頭ごなしに否定するようなこと言って……ごめんなさい」

 三谷は深々と頭を下げた。

「そんなに頭下げられたら、なんかこっちが申し訳ないよ……それに、待っててくれたんだろ? 俺と仲直りするために」

「……うん」

「ありがとう。それだけで嬉しい」

 最初にオタバレした時、三谷にはもう嫌われてしまって、元には戻れないと思った。だけど、こうして俺の帰りを待っていてくれて、素直に俺の話を聞いてくれた。

「また、明日から一緒に登校しようぜ! な?」

「……うん!」

 三谷は屈託のない笑顔で頷いた。



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