第3話 お兄ちゃん
僕が部屋でゲームをしてると、部屋がノックされた。
「花音入るぞ。」
「そこの声お兄ちゃん?」
そう声の主は僕の実の兄一条渚。花音大好きなブラコンお兄ちゃん。今はシスコンか。
「少し花音に用があってな。今いいか?」
「いいけど……コスプレならしないよ?」
「あはは、流石にそれはもうしないよ。花音嫌がってたし、母さんの折檻はもんごめんだよ。」
「うん、あれは見てて酷いと思った。兄ちゃん悲鳴上げてたぐらいだったもんね。」
「まぁ話は置いといて、花音綾音について話がある。」
綾音とは第1話で花音が振られた相手だ。
「綾音先輩?」
「綾音な花音に彼氏いるからって振っただろ?」
「うん、もしかしてお兄ちゃんと付き合ってるの?」
「いや違う。綾音からは言わないでって言われたんだが、花音には言って置く必要があると思ってな。今綾音は入院してるんだ。そして花音お前たちは両思いだった」
「ええーーーーーーーー、なんで入院?それに両思い!?」
「綾音は自身が言っていた。私の命はもう長く無いって。だからほんとの気持ちを押し殺して花音を振ったって泣きながら俺に謝られたよ。」
「長くないって……?」
「末期の癌だそうだ。持って2~3ヶ月と医者に言われたそうだ。綾音は治療はしないって言ってた。緩和ケアに入って明日退院するそうだよ。明日花音迎えに行ってくれないか?俺も一緒に行くから。」
「うん……」
僕は衝撃の事実を聞いて言葉を失った。綾音先輩が余命3ヶ月なんて…
「あと、残り3ヶ月綾音と一緒に過ごしてくれないか?その方が綾音も嬉しいだろうし。向こうの両親にも許可はとってる。家の両親もOKだそうだ。」
「え!?」
こうして僕と綾音先輩の長くて短い同居生活がスタートするのであった。