第2話 幼馴染
僕は母さんが買ってきた洋服に無理やり着替えさせられ、街に遊びに行けと、半ば強制的に外に放り投げたされた。それも運悪く、家を出た瞬間幼馴染の千夏に出くわしたのだ。
「えっと·····君は誰?」
と幼馴染にそんな事を言われ内心ショックを受けつつ
「花音だけど、千夏は何が僕の家に用事あったの?」
「え!?花音なの?でも花音は男の娘だよね?」
男の子とは違うニュワンスで言われたがまぁいつもの事だ。気にしないでおこう。
「えっと·····実は僕女の子になったみたい。ほら、ニュースで言ってるあれ。」
「あーあれか。TS症候群だろ?まさかお前が罹るとわ。えらく美少女になったことで。ただ胸が無いのは残念やけどな。」
最後に言われた言葉に何故かイラッときて千夏の足を思い切り蹴った
「ッ、いったーーーーーーー!何すんだよ、花音。」
「今小さいって言ったよね·····?言ったよね·····?」
「す、すまん。もしかして今のお前のタブーか?」
花音は自身のタブーを言われると足を蹴るくせがあるのだ。
「そうだよ、何が悪い·····?」
「(今花音怒らせたら殺される)悪くないよ。今度からはそれ言わないから。頼む許してくれ。」
「じゃあナタッツ奢りね。」
ナタッツとは喫茶店のチェーン店で花音の行きつけのお店。そして女性限定のスイーツバイキングがある。そのスイーツバイキングは5000円で1時間食べ放題という甘党の花音にはやってみたかったものだった。
「お前もしかしてスイーツバイキング奢らせるきか?」
「何が問題でも?」
「い、いえ。何も問題はありません、花音様。ぜひ奢らせて頂きます。」
「よろしい、じゃあ今から行きますか。」
そして電車に揺られること約10分、ナタッツに着いたようだ。
「スイーツバイキングお願いします。」
と花音が言うと
「はい、こちらのタブレットでスイーツを注文してくださいね。制限時間は1時間です。よろしいですか。隣の彼氏さんはどうですか?カップル割聞きますけど、通常男女ペアで1万円のところ7000円に割引できますが」
ここのスイーツバイキングはあくまで女性限定だけどある条件を満たすと男性も食べることができる。それは彼女と一緒に来ること。そうすれば2人で7千円という値段で食べれる
「それでお願いします。」
と千夏は泣け無しの7000円を支払った。花音はと言うとほくほく顔だった。
その顔を見れただけで7000円は安いもんだな。
「千夏、頼まないの?」
「あ、今はいいかな。さっきポテチ食べたし。でも折角だし、チーズケーキでも食べとくか。」
1時間は早いものであと三分なる。
「す、凄いな花音。1人で10皿以上食べてる·····」
千夏は花音の食べっぷりに若干引いていた。
「あー美味しかった。千夏ありがとね。」
「それはどうも·····花音そういえば学校はどーするんだ?」
「あ、それは来月から行くよ。まだ色々準備出来てないから。まだ登校するには時間がかかるからな。」
「そっか·····まぁその間宿題とかも花音に渡しに行くからな」
「ありがとう千夏、また学校通えるようになったら一緒に学校来てくれる?」
と上目遣いで千夏に頼んでみる。
「当たり前だろ。今のお前は僕が守る、今の花音は可愛すぎるから不埒な輩が狙うかも知らないだろ?」
え、まって花音可愛すぎる。惚れちゃいそう。
「ありがとう!」
そう言い店から出て、それぞれ帰路に着いたのだった。
「ただいまー」
「あら?もしかして千夏君と一緒だった?」
「え、なんで知ってるの?」
「勘で言ってみたら本当だったのね。」
鎌かけられた、しまった。こうゆう話は母さんの大好物だ。話が広がる前に逃げなきゃ
そう言い僕は部屋に逃げ帰ったのだった