848 間話 レディース 06(修正)
済みません。なんか脩と真悟をごっちゃにしてます。
修正かけます。
御免なさい!
2025/05/06
速水のタイムアタック。
だが、速水は先行されている一台の黒いマシンに届かないでいた。
「クソ! アイツ上手い!」
「コッチもマシンにまだ余裕が有るが、俺の方が余裕がない」
引き離せれるはずなのだろうが、ファッジスのマシンは速水の前を距離を守って突き進んでいる。
インカムから真悟の指示が飛ぶ。
「良い相手だ。少し揉んでもらえ!
どうやら敵さんは、それが目的の様だ。
ピッチリ。お前のタイムに先行しながら合わせている。
ついて行って技術を盗め!」
「はい!」
速水はインカムに抵抗ないが、奥村はインカムを嫌う。
集中している時にとやかく言われる事を嫌う。
ボードだけしか意思の疎通をしない。
真悟も奥村の意見に賛同している。
「どうやら思い過ごしの様だな。
コーナーで抜かせて煽ってくるか、転倒して巻き込むかと思ったが、今日は仕掛けないつもりだな」
「だが、余裕があり過ぎだな。どんなマシンなんだよ?」
速水とて、今ここに出ているライダーにヒケは取らない。
同じ性能のマシンであれば、トップ10には食い込んでこれる。
マシンは今から仕上げて行く段階だ。
来年には見ていろ!
そんな気迫が亮太から感じられた。
三周回のタイムアタックを終えた速水がパドックに戻ってきた。
「どうだった? 初の鈴鹿は?」
「はぁ、はぁ・・・・楽しいっす! 嫌な奴だけどファッジスのライダー基本に忠実ですね。
早いです!
全てのアクションが!
身体を鍛えないといけないです。
思い知りました」
「じゃあ、今度は俺が出てみるよ。
良い、レコードだ。
まぁ抜かれるだろうが、今はトップだ。
喜んでおきな!」
奥村が出て行った。
「奴は?」
「まだ、流してやがる。タフな野郎だ」
次々とタイムアタックに入る他チーム。
やはり、次々と潤の上のタイムを出して行く。
亮太は、メカニックを呼んで潤のマシンのチェックを始めた。
「今度はタイヤを変えた。TCSを少し弄った。
奥村さんが帰ってきたら出すぞ!」
「はい!」
汗だくになった速水 潤。
ライダースーツを肌けて汗を拭う。
その前を緑とレモン色のマシンがゆっくりと通り過ぎた。
マリアージュのマリア。
やっと冷静になって、コースに入った。
勿論、スタンドを睨みつけてからだ。
潤に一瞥を送る。
やはり、良い身体だわ。
ステージで触れたけど、彼も契約者の素質がある。
あの男は有りね。
「うん? なんだ今の女?」
「亮太、気付いたか?」
「あぁ、俺たちより背後の二人が気づいている」
マシンをスタッフに任せて、ストレッチをしていた二人が動きを止めていた。
「仲間か?」
「多分。カミラお母さんと同じ感じ」
「気付かれたか?」
「それは無い。私達のスーツは【欺瞞】を付けているから。道士が居るからね」
「誰が教えた?」
「千秋さん」
「代行か〜そうだったな。ジェイドの研修か。女になった訳か」
「ダーリンって呼んでいた」
「ふう。そうか、新たな代行を探さないとな。
で、なんだって?」
「丘に上がった人魚だって」
「だからブラジルか・・・・・フロリダだけじゃ無く、日本にも探しにきて潤をロックオンした訳か」
「ジェイドさんにも予告したみたい。念話持ち」
「急に、能力を取り戻してきているな。と言う事は監督は契約者だな。
後で挨拶しにいくか・・・・」
交互に、叔父の真悟に答える双子。
(しかし、よく似ているなぁ〜だから隠し子って言われるんだよな)
亮太は、仲の良い親子にしか見えない三人を見ながら、タブレットでマリアージュを探し出した。
「えっ、ライダーは彼女一人? これ、ガールズにもエントリーしているぞ」
覗き込んでいた真悟が驚く。
「マシンが、間に合わなかったんじゃ無いか?」
「・・・・フロリダでも、9月に出ているな」
「その後じゃ無いか? 行方不明の男が出たのは?」
「成程、マリアが探す役、スカウトか・・・・・こりゃ、大変だな」
「道士との関係が疑われそうなファッジスと、男漁りのマリアージュ。
潤は両方から狙われている訳か?」
「監督。どうする? 奥村さんのタイムアタック行かすぞ!」
「あぁ、エントリーしてくれ!」
今度は亮太が叫ぶ!
「トップに指示を出せ!GO!だ。邪魔させんな!」
奥村に指示が出る。
ボードに描かれた【∞】のマーク。
【好きな様にやりな!】
『良いねぇ〜真悟のサインは!』
MotoGPで何度も表彰台に立っている実力者がスロットルを開いた。
トップに立つ。
「暫定トップ!0.578秒差です!」
「ファッジスは!」
「まだ、タイムアタックに入りません」
「どう言うつもりだ?」
潤のタイムは、タイムアタック宣言無しでも出せたと言うのに・・・・
3周して来た奥村が出ると同時に速水が出た。
「お疲れ様。どうする?」
「いや、もう今日は良いわ。
タイヤを変えてくれ。
TCSはそのままで良い。
流してみるよ」
「ファッジス!タイムアタックに入りました!早いです!」
「続いてファッジスのトップも出てきました!」
緊張が走る。
2台同時に!
だが、タイムアタックに入ったマシンとは別に流している。
「マリアはどこだ!」
「潤の真後ろです! 上手いですよこの女!
ピタリと潤に合わせて居ます!」
「当たり前だ!」
しなやかな筋肉の中に、鋼を仕込んだ様なカミラの身体を思い出す真悟。
何度も剣での立ち合いをしたが、大概やられている・・・・
いや、一本も撮れていない。
マリアージュのマシンの性能も良い。
「このマシン。古いが良いチューニングされているな。
エンジンは、Kawasakiなのは間違いない。
だが、このエンジンは知らんな」
亮太がファッジスの車体より、マリアージュに食いついている。
「クソ!1番ハジのパドックに、こんなマシンが隠れて居ただなんて!」
【more】はHONDA
【アトランティス】は、YAMAHAのエンジンを使っている。
ファッジスは、以前はヨーロッパのメーカーエンジンだったが、バーンスタインのグループ傘下のバイクメーカーを立ち上げている。
「バーンスタインには日本からも、結構、引っこ抜かれているよ。
EVに会社がシフトして、夢が無くなったエンジン屋が移籍している」
田尻が、退社の挨拶に来たメーカーの人間の話をしていた。
真悟の所にも挨拶に来て、部下の面倒を頼みに来た友人も居る。
今、ここに居るメカニックの中にはそう言った連中も居るし、工場で他のマシンに取り掛かって貰っている。
流石に鹿児島では不便かと思ったが、予想に反して家族連れで、やって来てくれている。
朝霞の研究所からも、1月から引っ越してくる中堅の研究者がいた。
他にも九鬼や羽田を紹介しておいた。
中には九鬼でマリーンエンジンの開発に移った者も居る。
「その内、本気でEVをやる事考えなきゃいかんのかな?」
田尻が、メーカーから持ち込まれたEVバイクを弄って寂しそうだった。
「ファッジス!セカンド!早いです!
トップ奪われました!0.221秒!」
「だってよ。奥村さんどうするね?」
「いや、タイムアタックはしない。
潤が、タイムアタックする前に出て背後をガードする」
「奥村さん・・・・・」
「ファッジス。セカンドピットロードに入ります!」
「トップを取ってお役目終了か・・・・全くどんな奴なんだ?」
ファッジスのセカンドライダーがゆっくりと前を通る。
チラリとコチラを見たが、双子もおかしさを感じなかった。
「なんだ?」
ファッジスのバイクは、そのままピットに入って行った。
モニタには試走終了の文字が表示された。
と同時に
「ファッジストップ。タイムアタックです!」
「もう行くのか! タイヤ温度は?」
「ギリです!」
赤外線でタイヤ温度は解る。
それを使ってライバルチームのタイヤ温度を測定するなど当たり前の事だ。
見る見る加速が加わっていく。
「直線が早いな!」
1コーナーに飛び込むトップライダー。
鮮やかに切り抜けて進む。
あまりの速さに先行してコースを譲った、他のチームのライダーの表情が青褪める。
「ブライアンの奴。キレッキレだな!」
ブライアン・コーズ
まだ、19歳。
500に上がる事は、間違い無しと言われる天才ライダー。
ファッジスの秘蔵っ子。
恐らく来シーズン250を奪ったら、500にステップアップして来るのは間違いない。
早くからバーンスタインが作ったライダースクールで磨いて来た。
ミランダとの仲を噂されるが
互いに、『ただの、チームメイト』とそっけない。
女性ファンも多いが塩対応。
監督の子供は、こっちだと言われる程だ。
「トップと同タイムです。千分の1まで揃えて居ます!」
まだタイヤが温まって居ないはずなのに・・・・
「トップに立ちました!0.500秒!」
ふと、真悟は気が付いた。
潤はどうした?
インカムが静かだ。
その時、嫌な感じがしてモニタを見ると、グラベルに潤がバイクを停めていた。
何があった!
ファッジスと接触した訳じゃ無い。
その時、真悟はチームの意識が、潤から外された事を知った。
「クソ!一瞬目を離した隙に何かをされたか?」
係員が駆けつけているが、マシンに異常は無いが潤の様子がおかしいと告げて来た。
救護班が、そばにいて異常は無い事をを確認した
本人も自分で戻れると言って、マシンに乗って他車に注意しながら戻って、そのままピットに入った。
「ファステスト更新1.003秒!バケモンですよ!こんなの!
公式じゃ無いけど、鈴鹿のコースレコードですよ」
スタッフは、潤の様子を心配しながらも、ファッジスのタイムを叫ぶ。
「すんません。俺も何が起きたかわかんないんです」
スーツのジッパーを下ろす事を潤は拒否した。
奥村は数周流して帰って来ている。
125レディースの時間が迫り、2台のマシンに取り掛かるチーム。
やっと潤が動き出す。
「ちょっと、良いですか?監督」
「あぁ、何があった?」
「それが・・・レース中に射精してしまったんですよ。
レースをしながら、どうしようも無くなってグラベルに入った時に盛大に出ました。
でも、スーツの中何もないんです。
その、コンドーム着けて射精した様な感じなんです。
おかしいですよね?」
『ふぅ。あのアマゾネス。これが狙いか・・・・・』
潤を更衣室に押し込んで、シャワーを使わせる事にした。
まさか、本当にアマゾネスに目をつけられるなんて・・・・
だが、女帝の作戦に気付いた訳じゃ無い様だな。
映像を見返してみると、次第にタイムが落ちている。
だが、後方にはマリアがピタリと付いていた。
これは、マシンを操っているな。
でなければパドックが気付く。
最後にスピードを緩めた潤が、デグナーのグラベルにマシンを停めて射精した瞬間まで、背後で一緒にグラベルに停まっている。
サイコキネシス。
それも、若菜といい勝負。
いや、下手したら上だ。
自分のマシンを操りながら、前を行くマシンを操って潤を無意識状態にして射精までさせた。
そして、それをスーツの中から抜き取った。
潤のスーツが呪糸蟲と金剛に対応して、ヘルメットも金剛だけだった事を差っ引いても異常な能力者に違いない。
それに・・・・監督の野郎も、自分達の集落で産まれた男の人魚なんだろう。
術者の俺と亮太が居ながらも、潤への意識だけ阻害しやがった。
だが証拠は何も無い。
マリアは、今日の仕事を終えてピットに戻っている。
仕方無い。
「キャミ、アリア。済まないが、マリアージュに挨拶に行って来る。亮太の指示に従ってくれ」
「解った。でも新たな契約者にならないでね」
「私も、叔父さんがまだお嫁さん増やせるのは知っている。でもそれは解っているだけ。隠し妻や隠し子は知らないからそこははっきりした方がいい。しかも、彼女私達と歳変わらないじゃ無い!」
「お前ら、誰に聞いてそんなこと言うんだ。麗子にバレたら大変なんだぞ!
狙われているのは潤だった。抜かれているんだ」
「凄い術者ね。叔父さんも抜かれないでね?」
「ヘルファのカップ付けて行ったら?男性用の貞操帯もあるんでしょう?」
「お前ら、それが監督に言うセリフか?」
「真悟!この娘達は任せろ。でないとケツに帆かけて脱げ出すぞ!」
「そうだな。後を頼む」
1番ハジのパドックか〜遠いいよなぁ〜
でも、転移使うわけ行かないか・・・・
真悟は走り出した。




