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いつかは訪れる最後の時  作者: Saka ジ
772/926

772 結婚式そして結婚式  120 御堂の新入り01

門が日本を発つ数日前の話です。

この間は、門の妻は萩月に滞在したままです。

残念ながら、()の望みが叶わなかった。

里寺の石塔に設けられた、御堂の入り口が閉ざされている。

額真の話では、一週間程前から本堂の下からの入り口も閉ざされて居る。

余り良い話では無いない。

その事を思いながら、昨夜、額真が眠ろうと部屋に戻ったら床の前に御堂の主が待っていた。

『御堂を、後十日ほど閉ざす」と告げられた。


門にも、この事が意味する事がわかった。

萩月の術師・・・・しかも特殊な能力を持った者が、この世を去る。

流石に、後十日も日本に滞在する事は、国の内情を考えれば不味い。

門国家主席は、この九州でやっておきたい事を済ませて、妻が待つ関西に帰る事にした。


額真にも、次に御堂に入る者に心あたりがあった。

彼にとっても恩人である人物。


額真から、その事を聞いた常義にも御堂に入る者に心当たりがあった。

その能力を持つ者は限られており、魔道具で再現してはいるがやはり彼らには敵わない。

今までもその能力で幾多の窮地を救って来た。

その意味では、その能力を持つ者が転生して生まれ変わる事を意味するが、亡くなる事には変わりがない。


常義に取っても、大事な恩人であり友である。

(ナオ)さん・・・・・

もう、喜寿を祝って以来、長い事ウルマに尋ねて行っていない。

行くのが怖いのだ。

相当、お痩せになったと聴いている。

だが、『別れ』はしなくては・・・・・エリファーナと明日にでも向かうとしよう。

あぁ、時差を・・・・だめだ・・何も考えられない。

エリファーナと話をしよう。


御堂の状況を知らされた門は、九州を周る事にした。

秘書官は同行しない。

灯は、自分がいたら足手纏いになると知っている。

彼女は久しぶりに、父の墓参りをする事にして先にホテルを出た。

長谷山が車を出し、墓参りをした後は先に大阪に向かう。


門は、流石に自分の姿ではなくハイデマンの姿。

彼の盗賊の才能が、人目を引かないようにする。

さらに言えば、監視カメラなどの死角を行く事に長けている。

ホテルを出ると迎えがいた。

五十嵐亮太。

彼を指名したのには理由がある。

アーバインからの移住者で、この地球で命を終わらせた彼の妻 五十嵐貴子と、その母親の墓に参る。

花をお供えして手を合わせたかった。

「成程、ここは良い場所だ」

「えぇ、この高台から見える光景が生まれ故郷の様なんです」

「それは、良い場所を選んだな」

「ありがとうございます」

丘を降り、桜島フェリー乗り場につけてもらう。

亮太は店に戻り、門の帰りを待っている。

息子の真伍が岩屋麗子の夫となり将来は岩屋神社を継ぐ。

だが今は、アーバインの管理を任される立場だ。

麗子のお腹には息子がいる。

そして、麗子が認めた娘もルースにいる様だ。

そのうち、その娘も子供を産むだろう。

その時を楽しみにしながら亮太は、アーバインから来た若者を鍛えている。


フェリーで桜島に向かう際に、海底からあがる火山ガスの気泡をアンの眼が捉えた。

流石に海底の噴気口の奥までは見えないが、結構な数の噴気口があった。

視覚を共有しているから、アスアッドもハイデマンも驚いている。

前よりも数が増えていないか?

だが、あの時はここまで接近した訳では無い。

日本を去る前に、ふと気になって上空を飛んで以来だ。



桜島では、長谷山の門人が案内して史跡を見て回る。

溶岩の迫り出し、火山灰に埋もれた鳥居。

立ち上がる噴煙は、太陽を隠して影を作った。


大隅半島に渡り後ろを振り返る。

火口から結構な距離がある。

「そうだよ。此処には浅いが、流れが早い瀬戸があった」

三人は、以前は島であった事を思い出す。

そこで、危うくスパイと疑われた事を思い出した。

(あぁ、そうだった)

(あの時は、焦ったわね)

(いやすまん! つい声が出た)

門の中の三人が、初めてその事を知ったのは戦時中。

その頃は、大陸の空軍パイロットを宿主にしていた。

戦火が広がる大陸。

いざとなったら、国から出る。

その為には情勢がわかる軍。

それも、前線に近い場所にいて、いざとなったら竜人となって機体を離れればいい。

この宿主は、最初は生き延びた事を喜び、精力的に活動し始めたが、次第に自分の人格を失い壮年期なのに人格が現れなくなった。

稀に・・・・・いや、地球人は半数くらいは人格を失う。

()がサポートユニットを受け入れた時に、先の人格はカスすら残っていなかった。

数代前の人格だけは、無言で遠くから芝居を見ている客の様だった。

だが、その彼も消えた。

だから、その時の人格に合わせて、アスアッドかハイデマンの人格で残りの人生を使い切る。

でないと、収容所か病院送りになって仕舞う。

相手が軍人だった事もあり、アスアッドが人格を引き受けていた。

敵国であった日本の地図。

そこに記載された九州の地。

桜島が、大隅半島と繋がっている。

思わず「桜島は島だ! この地図は間違っている!」

と、アスアッドの声で怒鳴ってしまった。

それ程に、大陸には日本の情報は伝わって居なかったのだ。

それなのに、【サクラジマ】と日本の固有名を言ってしまった。

それでは疑われて仕舞う。

だが、ハイデマンが上手く取り繕わせて事なきを得た。

大正時代の大噴火で、桜島が大隅半島と繋がって、多くの人が亡くなった事をその時知った。


聞いてはいたが火山のもたらす災害に驚く()

大陸と違い火山が多い国。

日本。


ドラゴニアの寒冷化のひとつの要因。

マントル対流の鈍化。

その事を知っているアンにとっては、桜島を再び目にして、その息吹を感じる事はドラゴニアを救えなかった無力さを思い出させた。

マントルの再活性化を促す為に取られた様々な試み。

しかし、巨大な自然のなす事に、あがらう事などできなかった。


昼を迎えアスアッドの身体になり、西郷家で魚介料理で腹を満たして霧島方面を目指す。

アンも、すっかり刺身や寿司に馴染んで、様々な物を食べたがる。

郷土料理を勧められたら、もうその食欲は止められない。

ハイデマンの身体では胃袋が持たない。


食事の後、気になっていたので

「御堂に招かれそうな陰陽師が居るのか?見舞いをしたいのだが?」

と、問いかけてみた。

西郷卓也が、しんみりと言った。

「そのお言葉だけで有難いです。

私を医学の道に導いて下さった木場先生が、ウルマで最後をお迎えされそうです」

そう言って、寂しげに笑った。

「木場 (すなお)さんか・・・・・どおりで、誰もが沈んでいるのか・・・」

「えぇ、木場先生は萩月様と並んでアーバインの民には、大恩がある方ですから・・・・なぁ、亮太」

「こう言ってはなんですが、アーバインの民に一番近かった方です。

私も足のサイズを測って貰って、靴を作って貰いました。

健康診断、病院の設立、塾の創立。

何より、ルベルの動きを知る事ができた天文台の設置と青木忍さんを紹介して貰いましたから。

木場先生がいなければ、ルースもウルマも無かったでしょう。

大恩人ですよ」

しばらく、落ち着くまで出発を控えた。


岩屋神社に向かう車の中で、

「今度は、車の免許をどうにかしたいわね?」

車好きのアンが、同じく車好きのハイデマンと車種について話し合う。

「やれやれ、三人分の戸籍を作るんですね・・・・・」

西郷家で、再び運転手を引き継いだ五十嵐亮太。

アスアッドは、船舶免許の本を買い込んだ。

羽を伸ばす際には、日本に来るとするか・・・・・

それか、次は日本人に・・・・・


岩屋神社では、転移陣の巨大な月夜石を目にしたが、危険を感じて見るだけにする。

サポートユニットだけでは無く、自分の身体ひとつで転移ができるアンでも、青白く光を放つ巨大な月夜石には危険を感じている。

転移陣の先に、潜む存在。

それを感じてしまう。


だが、この月夜石。

形状が変化してはいるが、間違いなく地球にたどり着いた際に、この洞窟にソーサーで運び入れるのを手伝っている。

その時は、先が尖った楕円の透明な石。

ガラスかと思ったが、違うと明確に【石】だと竜人に否定された。

同じ様な物を、ファミール達も積み込んでいる。

『・・・・・いつの間に、こんな【陣】が刻まれていたんだ?』

運び込んだ際には手伝いもした。

手も触れた。

【陣】は無かったし、触れても何も起こらなかった。

だが今は、それに触れる事は出来ない。

死を経験した三人の人格が告げている。

アレに触れると【死ぬ】

それ程に違和感を覚える。

そもそも、大きさが違いすぎる。

畳1畳分だったはず。

それが今では・・・・洒落では無いが百畳敷だ。

もしかして、この洞窟の壁面を侵食して巨大化を続けているのでは無いか?

そう言えば、この洞窟も、こんなに広く無かった。

萩月の調査では、洞窟と月夜石の大きさは測れてはいるが、その数値は不明確。

変動している。

アスアッドは、この地を去る前に見た月夜石の事を社務所で話をする。

途中から観察眼に優れたハイデマンもアンも話に加わる。

五十嵐亮太が、それを纏めていく。

ネットで中継されて、アメリカの研究所に居る碧達も話を聞いていた。

彼らも何度か訪れて転移に立ち合い、実際にアーバインとの間を行き来した。何

度もアーバインとの間を行き来している。

だが、その間に異常を感じた事がない。

感じない方が異常なのだろうが・・・・・

碧達も光を利用して厚みを測定しようとしたが、吸収するだけで反射が返って来ない。

『実際私達が持っている魔石も、レーザー光を吸収して仕しまうの。未知の物質よ』

余りにも不明な点が多すぎて、今では手を出さずにいる。

【触らぬ神に祟り無し】

サポートユニットには、その言葉が思い浮かんだ。


だが、ハイデマンの人格が疑問を持つ。

あの時は、皆が感染症(はしか)にかかった事で、その看病で忙しくて思いつかなかった。


でも、アレ?

あの、【月夜石】を運んだのは前世の巴。

私を追って来た小型船から降ろした。

だが、どこから持ってきた?

月夜石は、ルコにもトウラにも無かった。

ドラゴニア?

だが、アンも知らない様だ。

関西を中心にカケラが点在し、萩月が使っている事から地球には存在していた・・・・

だが、日本の中でしか見つかっていない。

多摩地区の池や河川でも、北海道の一部でも見つかっている。

どれもが、砕けた状態で脩達が修復して、勾玉にしてはいるが・・・・・

奉石も奈良、和歌山でしか見つかっていない。

だがこちらは、水が存在する場所に多く見つかる。

熊野神社の舞台でも、井戸の様な物が掘られていた事が判明した。


だが、何処から?

そもそも、彼らは私から、そんなに長い時間、離れていない。

ましてや、次元航法の際にハッチを開けれる訳がない。

次元航法から先に放り出されたのは、向こうの二隻。

その後を追う様にして、こちらの機体が地球の上空に放り出された。

この間の時間は不明・・・・・

この間に積み込まれた・・・・・

竜人の二人からアトランティスに向かった二人も、同じ様な石を積んでいて、それを私の船に積み替えたのは聞いている。

だが、彼らは何の為に?

その石を持ち出した?

いや、月夜石では無かった?

奉石と考えればマナと法力が、近い事は納得できる。

海底に沈んで、粉々にならずに沈んでいると考えられないか?

それに、私達が乗って来たあの小型艦は何処に?

位置を事前にJAXAの梓に伝えているが、今のところそんな物が発見されたという記録はない。

九鬼修造が島を特定して、その島と付近の島を買い取る為に動いている。

浅い瀬戸内だ。

ドルフィンを使えば探索は簡単だが、誰もが見つからないと何故か思っている。


あぁ、調べなければならない事が多くなってきた。

日本に居たいが、そうもいかない。


サポートユニットは他の事を考えていた。

アーバインに渡れないこの身では、対になるルースにある【青魔石の陣】が見れないのが、これ程もどかしく感じるとは・・・・・

それ以上に、サポートユニットとして、もどかしい事は・・・・・

【天測】

今では、魔道具も有り【真眼】との組み合わせで、地中の中の地脈やマグマの動きさえ見る事ができる。

アンの透視とは、また違う能力だ。

こう言ってはなんだが、天測の威力の方が高い。

その、能力の持ち主。

しかも優れた医師でもある【木場 直】が、アーバインで一生を終えようとしている。

心臓の老化だから、人工心臓を入れてやれば、いくらかは長生きができるだろうが手術が出来る状態では無い様だ。

この力と木場 博を()()()()()()・・・・・・

アンの時の様に、寿命を過ぎても生き続けた事もあった。

だが、木場 直がウルマに居る限り、それは叶わない。

アンの使う転移と、この萩月神社の転移は恐らく次元を渡るルートが違っている。

そこに、奴らがいる。

何かは解らないが、自分と同じ存在でこちらを取り込もうとしている存在。

今はまだその時を迎えたくない。



門達は、そのまま熊本に向かい宿泊した。

車海老を活きたまま食べる踊り食い、新鮮な魚や野菜。

そして馬刺し

最初は、気味悪がっていたハイデマンが気に入っている。

アンも実はドラゴニアでは、馬に近い家畜を育てて食っていたそうだ。

流石に刺身では無く、細かく赤身を刻み叩いてレアの状態で食す。

「アンが、料理上手ならな・・・・・」

アスアッドが溜息を付く。

「あはは、そのうち私がアンの記憶で作ってみますよ」

ハイデマンが笑って応える。


熊本に泊まった理由。

翠に案内されて、長崎をアンの姿で尋ねていた。

ここには、黄と柳が眠っている。

二人で並んで、西の海を見て眠る事を選んだのだ。

黄の夫婦の傍らに柳の遺骨が収められた。

「本当に仲が良い、親父みたいな二人でしたよ」

「本当は、実の祖父だったんでしょう?

一時は反目しあった道士の派閥。秘密にするしか無かった」

「・・・・・知っていたんですか?」

「伊達に、数千年生きているわけじゃ無いわ。

一番末の孫息子と孫娘が偶然、大陸の混乱の最中に抱きしめあった。

それだけよ。

・・・・翠。あなた、御堂には行ったの?」

「いえ、高野山と道士では、余りに違い過ぎます」

「でも、同じ【法力】を使えるのよね?」

「そ、そうですね」

「・・・・・解ったわ。

もし、私が御堂に入って、貴方のお祖父様たちがいらっしゃったら、会いに行ってみて。

私からも、御堂の主に確認は取るわ」

「・・・・・お願いします。まだ、恩を返しきれていません」

「その恩を、返すのは諦めなさい」

「何故?ですか?」

「国に住む同胞の為に使えば良いだけよ。違っていて?」

「解りました。

本日は、ありがとうございました」

「ううん。私も彼らには、道士について色々と教えて頂いた。

それで、多くの人が呪術の為に、命を落としたり苦しむ事が避けられた。

今も、呪術を使う事に躊躇しない連中が残っている。

コレからも、(かい)の一派とも協調して頂戴。

でも、黄と柳から外れて、人の道からも逸れた連中は申し訳ないけど潰すわ」

「・・・・・宜しくお願いします!」


夕空が広がってきた。

「あの日も、コレくらいの時間だったな?」

「えぇ、私達が日本を去ったのは・・・・この時間よ」

「【透明遮蔽】の魔道具を、お貸ししましょうか?」

「良いの?」

「えぇ、そのままお持ちください。

上質の青魔石を使っています。

気晴らしに、いつものように飛んでみられては?」

「いつものようにって・・・・どこで、見たの?」

「彼方此方で、でも、特に桂林では、お美しかったですよ。

あの羽衣の様な、ケープが良くお似合いでした。

天女かと思いましたよ!」

「アン・・・・・・」

「やっぱり!」

「だって! 霧が出ていて見えないと思ったから!」

「じゃあ、オレが飛ぼう!文句は無いな!」

アスアッドが、強引に姿を竜人に変えて飛び出した。

「アスアッド! 見えています!」

翠が慌てて、念話で呼びかける。

「アッ!」

慌てて【透明遮蔽】を起動した。

「あはは!済まん、済まん!」

「馬鹿!大声出したら、まだ下に聞こえている!

でも、アハハ!」

「もう、二人とも!ウォ〜」


やれやれ、明日の朝刊、いや、今夜の全国ニュースは確定ですね。

でも、姿さえ見ななければ、直ぐに消えますね。

こうなることを予測して、飛び立つ際に遮蔽を展開していた翠。

翠には見えている。

長崎の夕焼け空に舞う竜ですか・・・・・ピッタリですよ。


一体で有りながら、三匹の竜は月が出るまで降りて来なかった。


飛んでいるうちに、アンがふと思い出していたのだ。


この土地、日本を離れた日を。

あの日々は、辛かった。

寮監が、死んだファスラーザの女を宙に浮かして東に向かった。

それっきり、帰って来ない。

そして、毎日の様に人族の女を抱く竜人の男。

一日中裸だ。

人は神である竜人に抱かれる喜び、竜人の雄を世話をする。

そして、同じ様に世話をするのは、産まれたばかりの竜人の男の子。

人族に子供を預けて、岩の間に篭る出産を終えた竜の女。

赤子は乳を欲しがる。

女は乳をあげたいが、雄となり切った竜人が待ち構えている。

気が狂いそうになる程抱かれたくなるが、抱かれたらいずれ殺される。

乳を竹筒に絞り入れ、人間の女に渡す。

子供は、泣き止み、又、乳を欲しがる。

コレが繰り返される。

竜の女は食事を渡されて少しは口にするが、雄の呼び声に体が疼き食事も喉を通らない。

女はやつれて行く。

遂に、雄に引き摺り出されて犯され続けた。

それこそ、息が絶えるほどに・・・・・・

息絶える寸前に、女は男の子の胸の鱗を抜き、自分の血でその傷口と片目を汚す。

呪術の一種だったのだろう、

泣き叫ぶ竜人の男の子に陣が浮き出た。

「・・・・・・コレで、この子と・・・・・子孫は狂わない」

満足そうに笑って息絶えた。

その陣の光を目にした雄の竜。

正気に戻る。

「後は・・・・・私が、雄竜の望みを聴き鱗を抜いて心臓を貫いた」

「そうだったわね。

アスアッド。

でも、ひとつ思い出したわ。

子供の鱗は、どこに行ったの?ハイデマン!

あなた、両親の鱗は収納に入れておいて、赤ん坊の鱗を忘れたの?」

「いや、ちょっと待てよ!あの時はアスアッドじゃ無かったか?」

「女の骸のそばにあった筈だ!女性が囲んでいたから気づかなかった!」

「あの、寝所に入るのはアンの姿出ないといけなかっただろうが!」

「でも、鱗を女から抜いたのもアスアッドでしょう!」


それを、上空で言い合っていた!


やれやれ、聴いてくれれば良いものを・・・・・・

「それでしたら、正倉院から御所に運び出されて【天上書庫】の門に飾られていますよ。

透歌が平気な顔をして触れて居ますから〜ご心配無く!」

そう声をかけたが、中々聴いてもらえず。

降りてくるまで、2時間ほど騒いでいた。

日本には、二人羽織という芸がありますが、アレでは三人羽織ですね。

翠は、呆れて上空から聞こえる声を、長崎の民衆が見上げる空から消していった。





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