表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつかは訪れる最後の時  作者: Saka ジ
740/926

740 結婚式そして結婚式 110後始末 12 会談

3ヶ月後。

CCFと新しく刷新された大陸政府との会合は、新国家主席 門の要望で日本の京都で行われる事になった。

国の方針を変えたせいだろうか女性随行員だらけだ。

しかも、若くて美人が多い。


会場は国立京都国際会館。

国連参加国と大陸毎に許可された放送局が中に入る。

それにJAXAとNASAの推薦を受けた各地の天文台の研究者。

特に南半球の天文台の幾つかには、直接ケーブルが繋がれていた。


最初に門 国家主席が前 楊 主席が国連でやった様に頭を下げた。

相次ぐ、この二人の大国のトップの姿勢に誰もが言葉を失った。

『この国は、変わろうとしている』


事前の報告では、タンカーの汚染水は放射線量が随分と下がっているそうだ。

ただし未だ、接近出来る状態には程遠い。

海岸際の水素発生は収まって来たが、これからの雨による流入に備える事になった。


北の大陸には、現在無人の探査船タートルが入って数機を設置している。

あまりの線量の多さに一挙投入は危険と判断された。

長い時間がかかるだろう。

だが、半減期を待つよりはるかに早い。


大陸政府の経済的な変更や対処、そして海外に持ち出された資産の凍結と再分配。

国際指名手配になっていた、経営陣は次々に捕まる。

国内でも、そのさらに後ろにいる黒幕にも出て来てもらう事になるだろう。

大陸国内に残る不良建築物を土地込みで海外に売る。

買い戻しはするが、今までの様な強行的な法を設定しての没収はしないとの契約書を交わした。

大陸の国内法も色々と変更された。


CCFからは、ファルトンから来訪したレリア艦隊が、現在太陽系から離れた位置で待機。

コールドスリープカプセル(CSC)に入って、時を待っているとだけ伝えて有る。

亡くなっているとは告げない。

嘘は言っていない。


その光景が映し出されるが、映像がハッキリしていない。

CGでは無いかと声が上がる。


続いて映し出されたのはファルトンからの出発。

だが、コーカの異常を感じさせるシーンは除いた。


スペースドッグでの造船風景。

ファルトンから空港からの出発風景。

上昇して行く連絡艦。

ゆっくりと全体の回転を開始するレリア艦隊のコロニー艦。

そして、内部の様子。

地球人と変わらぬ姿。

次々にCSCに入り冷凍睡眠に入る乗組員。

星々の間を渡る船団。

大きなエンジンが炎をあげる事なく加速して行く。


「これは、以前地球を周回した宇宙船の底面に付いていた物!」

「やはりこれが、エンジンか!エネルギー源はなんだ!どんな構造のエンジンなんだ!」

「どれ位の旅をして来たんだ!」

次々に、質問が飛び出すが司会兼ナレーターの武田 豪は軽くあしらう。

「それは言えません。

光速を越えて、太陽系まで来たと言うのは間違いないです。

少なくとも千光年先とだけ言っておきましょう」

「馬鹿な!そんな事できる訳が!」

「彼等もそうだったんです。

だが、出来た。

何もせずに、その技術だけを盗む気ですか?」

「嘘っぱちだ!そんな物!」


「CCFでは、これらの艦隊の映像を隠す為に、細工を施していましたが、本日この時間から、その機能を停止します。

ご存分に、観察してください。

方位は、南十字星αを中心にお願いします。

観測可能な天文台には、座標位置を先程メールで送信しました。

少し散開しましたから、見えやすくなっています。

時折映像が切れます。

それは、彼等が地球に迫って来る時に残した残像です。

彼等が光の速度を消えて来た証ですね」


いくつかの携帯が鳴る。

「20分休憩します」


彼方此方で、メールの受信とSNSでのリアル映像が開かれていた。

「CCFの言う事は本当です!

あの地球上を回った艦が、現れては消えています。

他の艦の映像も同様です。

これは、光速を越えた宇宙船のデータですよ!

世界初ですよ!」


だから言っただろう?

豪は冷たいお茶で喉を湿らせて休んでいた。

コロニー艦だけ図面が公開された。

それに対して、大陸政府が広大な空間で実験を請け負う事を発表した。

「これに対しての資金提供と共同研究は受け付ける」

勿論、映像を見た他国の反応は激しかった。

なんと言っても推進力と攻撃用に見える砲身。

それらについて情報開示しろと散々言って来る。

だがCCFは、米国や日本などの西側諸国にも公開しないと言い切った。

「まだ、無理なんですよ」

それでも、声を荒げる会場の連中。

もう、自国の科学力なら何とかなると過信しきっている。

「静かにしたまえ! 彼等を信じて待とうでは無いか?」

大陸の新しい国家主席が場を静めた。

不思議な人だ。

一言、言葉を発しただけで・・・・・

あれ? マイクなんて握っていなかったぞ?

豪に向かって頷く竜。

なる程。

心に直接伝えたのか!


大紛糾した報告会は、二日間で終了させた。


次に、門 が向かった場所は京都御所。


勿論、CCFのメンバーだけ。

萩月常義と萩月 真の祭礼に合わせての訪問だ。


先に、上羽一家と私だけにしてくれと門は伝える。


成程、知っているとの意思表示か・・・・・

上羽朱雀は、相手が会いに来るのは透歌。

自分は、お役目ご苦労とでも言いに来るのかな?

そう思っていたが、いきなり抱きしめられた。

「今まで同族の命を繋いできた君の一族に感謝する。なる程。良く似ている」

「私の祖先に会った事が有るのですか?」

横に透歌がいてもチラッと見ただけだった。

「あぁ、この国の上空で別れたよ。

君のはるか昔、夫婦の竜人とね」

「私の祖先は、夫婦でこの地に降りたんですか!」

「一人ぼっちになったのは、その後だ。

良く産まれたと思っているよ。

他の星では、人工受精卵からの子供が育たなくってね。

その事を知って、この星へ辿り着いた竜人は、君の両親やアトランティスの竜の様に、雌雄一対で代を繋ぐことにしたんだ。

ただ、アトランティスの竜は、棲家を定めた後に雄が死に産まれた双子の雌雄で子を成した。

仕方なかろう?」

「はい」

「更には母親も、自分の産んだ男児との間に娘を産んだ」

アトランティスの竜は寿命が長いが、その分繁殖に時間がかかる。

万が一を考えて娘を産んだ。

産み分け技術は、お手のものだったからね。

私は一人だった。

少しばかり違う竜種で【始まりの竜】と言われている」

「【始まりの竜】」

「だから、子供が作れない分、新たな体に入って命を繋ぐ」

「そんな事が!」

透歌が声をあげた。

「そう、この考えを引き継ごうとしている奴が、アーバインとやらにいるんだろう?

脳みそを繋ごうとしているがね?

だが、生き物で有る以上死は訪れる。

無駄な事だ」

「では貴方は?」

「自分でも解らない。岩屋紗羅という女性に見せてもらった【ポアーザ】とか【御堂の主】の映像の珠に近いとは思うが、それほど大きくは無い。

心臓ほどの大きさだ。見せるわけにはいかないがな」

「では、今回の訪問目的は?」

「君の家族を見たかった。それだけだよ。

勿論、子を成せる透歌という女性も見ておきたかった」

「なっ!」

透歌を庇う様に動く朱雀。

「心配しなくて良い。

さっきも言った様に、私は子が作れないから、君を次の身体になんて考えていない。

可哀想だけど、今私を受け入れる為に学んでいる男は、私を受け入れた途端に不能になる。

子供は、その前に残させているよ。

だけど、そこそこの身分が得られるだけだ」

「では、私の夫となるのは?」

「人間は嫌かい?」

「はぁ?」

「噂の東郷兄弟は空きがなさそうだし、北村隆史君なんてどうだい?」

「あわわ!」

「よく知っていますね? 北村隆史君てどんな子だい?」

「この子が通い出した岩屋学園の生徒で、陰陽師の息子。

アーバインに行って大きく伸びたと聞いている。

歳下だが、透歌さんは竜種の女性体だから成熟は遅い。

早くなる事もあるが、それは私は感心しない」

早苗よりも情報が早い。

透歌は、彼の事を好ましく思っている。

先日、台湾からのお土産に貰った紅珊瑚の髪飾りを今も着けている。

貰って以来外した事がない。

なんだか、嬉しくてしかも個人的なお土産は自分だけだった。

赤く頬が染まる。

初めて男性を意識した。

慌てて、恋歌に抱きつきに行った。

「まぁ、初めて意識しちゃったのね?」


「恋をしなさい。運命に立ち向かえ。

それだけを言っておく」

透歌を優しく見つめる【始まりの竜】


「朱雀。少し良いか?」


恋歌は、透歌を連れて奥の部屋に誘った。

今は二人。

門が舌打ちを一回鳴らす。

響き渡る音。

「大丈夫だな。

あの、管狐もいないし、一条が仕掛けた糸も残っていない様だ」

「なぜ、それを!」

「一条が狙ったのは、妖狐だけではないと言う事だ。

お主も狙われていたし、大陸に残っている連中もワシを狙っている」

「そうでしたか・・・・・・」

「ゆくゆくは、話しておかないと私も危ないかもしれん。

知識、記憶を引き継ぐ術を思い出せん。

こうして思い出すのも、やっとになってきている」

「それでは今回、大陸のトップとなられたのは、」

「これが最後の機会だからだ」

「それは?」

「大陸の危機に乗じて大掃除をする。

ワシには、そんな大きな術は使えん。

経済を操り、人に平和を与える事だ。

取り敢えず、空虚な物欲に溺れない様に未来を見させた。

宇宙開発に参画する。

私の母星で、最後にパニックになりそうな人民の心を纏める為に、全ての人民が関わる様にした。

うまくいけば良いが、他の国に被害をもたらしたくない。

さて、もっとも大切な話をしよう。

ここには【陣】が有る。

ここと、日本中は行き来出来たのに、アーバインとは行き来できないであろう?」

「はい」

「鱗が溶け落ち、頭の奥底から声が聞こえた。違うか?」

「はい」

「我々は、地球とアーバインを渡る間の時空の間から落ちた竜。

そして、同じ様な場所にいたののが、今回の紫の霧を産み出した竜。

そして、そうじゃな、洗浄とか汚物を捨てる術や石の様な物が有るじゃろう?」

「えぇ、私も便利で使います」

「調べ物をして遅くなった時に使うよな?

私も、民と一緒に川魚を網で掬った後に、畑仕事の際に使った」

「いけないのですか?」

「いやそう言う事はない。

ワシも使っておる。

だが、この汚れ、どこに行った?」

「・・・・・・それは?」

「無意識のうちに自分達の近しい場所や、収納の場所を避けておる。

時空の狭間と狭間に挟まれた狭い空間。

ここに押し込まれる様に捨てられた、垢や不浄の物。

腐りはしない。

だが、消えもしない。

何らかの怨念の様な物が発生する。

それが、変質したのが呪糸蟲だよ。

そのうち、回収しておきたいとは思うが方法が見つからない。

覚えておくが良い。

さて、無駄知識の持ちのワシからの警告だ。

恋歌を、アーバインに行かせるな!」

「どうしてですか? 娘は、それを楽しみにしています」

「向こうにも竜が居ただろう?」

「えぇ、竜と言っても人間とのハーフですが、男女いますね?」

「そいつでは無い」

「まさか、眠りについた二人の娘の竜!ですが!」

「雌2頭だが、抱き合って眠っておるな?

透歌は、その事を知っておろう?」

「はい。その竜の位置が解ったので、アーバインの位置が特定できました」

「繋がりたい。いや違う。

交尾をしたいんじゃよ、あ奴は!」

「交尾!」

「もう、一匹の雄になっている頃だ。

出てきたら透歌の成長が始まる。

そして、強引に懐妊させられる。

それこそ何度でも。

傷が治る限り」


「はっ!まさか!ダイアと同じで身体を食い破って!」

「そうだ。腹から子が産まれた後に、今度は身体を食い破って出て来る。

もし、生きていたらさらにもう一度だ。

そうなれば、透歌はどうなる?」

「そんな!子を成すために娘を殺すんですか!」

「この事は・・・・・・それを伝えるかは、お主ら夫婦に任せる

だが、気をつけろ。

雄の竜は、雌の竜を必ず引きつける。

強烈なフェロモンで誘って来る。

今後、向こうから届く荷物には気をつけろ!

奴の鱗一枚、

唾液の一滴でも透歌が触れたりすれば、透歌は成長を開始し発情する」

「それほど、竜は・・・・」

「お主の祖先は、そんな血を変えたくて旅に出た。

その、努力と最後を知っているからこそ、ここに来た。

なぜ、龍と書かせている?」

「良くわかりません」

「二匹と言う事を示す為だよ。

そう聞いた。

ワシもアトランティスの竜も一人から生まれた。

だが、お前は雌雄の竜から生まれた。

だから龍。

ワシの思いつきで話した事だ。

龍であれ!

竜にはするな!

幼い二人が夫婦になって、必死に雄が迫る娘を抑えていた。

知っておったのだろう。

だから、胸の鱗を抜いた。

それで、雄はフェロモンを出さなくなる。

娘娘は正気に戻り、成長した男から鱗がなくなっている事を知った。

雌も同じ様に鱗を抜いた。

そして人の姿になって産まれたのがお前の祖先。

その後は、男は人間の女を抱いた。

子は生まれた。

それが皇室。

だが、女の竜は人間の男に抱かれる事を拒んだ。

自分を思って、鱗を抜く痛みに耐えた雄以外は受け入れられない。

だが、この子が子を成せるか、どうかを知っておかなくてはならない。

万が一、もう一度産むなら雌を産む為。

だが、それは叶わなかった。

二匹の竜は殺され子供だけが残った。

それが『上』

神の使いである雌雄の竜を殺したせいか、天変地異が繰り返し起こる。

だから、必死で皇室が『上』だけを守った。

これが、ワシが知っている事実。

この、二枚の鱗に記録された物語じゃ。

お前のかなり前の祖先の話まで記録されていたが、今は何も伝わって来ない。

誰かが、読み聞かせてくれると良いな」

「ありがとうございます」

朱雀は、青い鱗二枚を胸に抱いて泣いた。

大きさは丁度、握り拳ほど。

一枚は小ぶり。

「そちらが、メスだとは思うが良くわからん。済まないな」

「いいえ、ありがとうございます」

「さて、用件は済んだ。

久し振りに、京都の夜を案内しろ!」

「これは、気付きませんでではどちらに?」

「すき焼きだな。

昨夜は、会席でちと寂しかった。

3人前ほど先ずは頂こうかな?

妻と娘を呼んでこい!」

「おい!豪!予約は、出来ているよな?」

「もう、竜といい妖狐と言い我儘な奴ばっかり!

言われた通り、美沙緒さんと巴さんに紗羅さんと若菜さん呼んでおきました。

ほんと、女好きの竜!」

「ワハハ! 子供は作れんが、女と過ごすのは好きじゃぞ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ